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2005Ｊリーグ ディビジョン１ 第13節 ガンバ大阪vs.東京ヴェルディ1969
2005年7月2日（土）19:01キックオフ 万博記念競技場 観衆：11,002人 天候：曇
試合結果／ガンバ大阪７−１東京ヴェルディ1969（前１−０、後６−１）
得点経過／［Ｇ大阪］アラウージョ（44分）、大黒（46分）、アラウージョ（50分）、フェルナンジーニョ（55分）、［東京Ｖ］ワシントン（57分）、［Ｇ大阪］アラウージョ（62分）、宮本（65分）、大黒（79分）
取材・文／貞永晃二
長い中断期間を終えていよいよＪ１が再開した。12節を終了して首位を独走する鹿島は勝ち点29。９ポイント離されて広島（20）、さらにＧ大阪（19）、名古屋・磐田（18）と続く。
Ｇ大阪は得点王争いに１位大黒（10点）、３位アラウージョ（８）と二人が登場しているようにリーグトップの得点力（26得点）を誇りながら、総失点が新潟に次ぎワースト２（22失点）と安定した戦いぶりとはとてもいえない。特にホームで強いが、アウェーで勝ち切れないことが勝ち点を伸ばせない原因となっている。悲願の初タイトルのためにはとにかく連勝し、鹿島が勝ち点を落としてくれるのを待つしかないようだ。代表組３人が不在だったナビスコカップでも堂々と決勝ラウンドに勝ち進み、戦力の底上げは着実に進んでいることを示している。その３人に加えワールドユース帰りの家長をもスタメンに起用した西野監督は彼らの「融合」に自信があるようだ。
一方、優勝候補に推す者もあった東京Ｖは負傷者の続出が守備を不安定にしてしまい、不本意な14位（勝ち点14）に沈んでいる。中断期間での守備整備が
うまくいけば、攻撃は点取り屋・ワシントンを擁するだけにまだまだ上位浮上も十分可能なはずなのだが。
「カラ梅雨」が続いた関西地方にも遅まきながら雨の季節が到来した。せっかくの「開幕戦」が雨中戦かと心配されたが、万博の雨は幸いキックオフ前にはすっかり上がり、湿度こそ高いものの気温も下がり選手たちにはグッドコンディションとなった。
宮本、遠藤、大黒、家長が合流し、当然ながら連係に戸惑いが見えるＧ大阪。対する東京Ｖはやや遠目から平本、小林慶が狙う。10分を過ぎるあたりからＧ大阪の攻撃にリズムが生まれてくる。遠藤が中盤で拾いまくり展開し、大黒のシュートは何度もワクをとらえる。遅咲きの25歳で初めて「世界」を体験した男はＪのディフェンダーを全く苦にしなくなったようだ。しかしGK高木が右に左にファインセーブでなんとか失点は免れる。
宮本を中心に置く最終ラインはワシントンのフィジカルを活かしたプレーに苦しみ、加えてシジクレイが負傷退場するアクシデント。實好のミスからワシントンに抜け出され、クロスバーを直撃されたがなんとか無失点で前半を乗り切った。
そしてスコアレスで前半を終えると思われた44分、高い技術と緩急を駆使し対面の上村を何度も突破していた家長はアラウージョの先制ヘッドをアシストする見事なクロスを供給した。この一点が後半大きく試合を左右することになる。
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２点のビハインドを背負った東京Ｖはシステムに再修正を施さず、李と戸川の二人が残る最終ラインはＧ大阪攻撃陣にノーガードとなった。そして50分にアラウージョの２点目、55分にフェルナンジーニョと連続失点し４−０と傷口を自ら広げることになった。
東京Ｖは全く何も出来なかった上村を山田に代え、一瞬ファウルと自己判断したＧ大阪DFのスキを57分に突いてワシントンが叩き込むが、すでに手遅れ、焼け石に水。つかんだ流れをＧ大阪は決して手放さずカウンターで面白いように東京Ｖ守備陣を蹂躙した。
62分にアラウージョが来日初のハットトリックを完成し、65分宮本がCKから豪快なヘッドを決める。最後は79分、大黒がスタジアムの期待に応えて得点ランクトップをキープするヘッドで２点目を決めた。シュート23本で７得点というワンサイディッドゴールショーは終わった。圧巻はアラウージョ。３ゴールに加えて４アシスト、つまり全得点に係わってみせたのだ。
前半はほぼ互角だった試合が７−１という結果に終わるとは大きな驚きだった。Ｇ大阪の攻撃力を甘く見たのか、後半同点狙いでバランスを自ら崩したのはアルディレス監督の大きな判断ミスだった。チーム力に６点差もつくほどの差があるとは思えないだけにサッカーの恐さを思い知った気がした。
それにしてもＧ大阪の攻撃は世界を知った大黒の成長や、アラウージョのチームへの順応が進んだことから１段階のパワーアップを果たしたようだ。次節は中３日でアウェー・広島戦。３位広島は13試合で総失点が一桁の「９」という守備力を誇るチーム。大量得点のあとのゲームは得てして攻撃は湿りがちになるもの。もはやアウェーで弱い序盤戦のチームではないことを示し、まだはるか先を行く鹿島を見失うことなく追おう。決してＪ１の「火」を消してはいけない。
