順調な船出のアルゼンチン、チュニジアに快勝！
FIFAコンフェデレーションズカップ2005　グループＡ　アルゼンチン代表vs.チュニジア代表

2005年6月15日（水）18:00キックオフ　ケルン　観衆：28,033人　
試合結果／アルゼンチン代表２−１チュニジア代表（前１−０、後１−１）
得点経過／［アルゼンチン］リケルメ（32分・PK）、サビオラ（57分）、［チュニジア］ゲマムディア（72分・PK）


文／貞永晃二

　すでにワールドカップ南米予選を勝ち抜いたアルゼンチン。今大会を若手にチャンスを与える場としたペケルマン監督はかなりの選手を招集しなかったのだが、外れたメンバーだけで相当なチームを作ることができる。アジャラ、キリ・ゴンサレス、クレスポ、アボンダンシエリ、マスケラーノ、ルイス・ゴンサレス、ベローン。そしてベンチにはサムエル、サネッティ、カンビアッソ、アイマール、テベス・・・・。言い古された表現だがまさに人材の宝庫アルゼンチン。対するチュニジアはアフリカ予選でモロッコに勝ち点差２で２位につける。激戦のアフリカから98年、02年と連続出場している隠れた強豪だ。

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　試合はチュニジアが引いて守らずに積極的な戦いを挑んだため、活発な攻め合いとなる。チュニジアは日本にもおなじみのトラベルシがミドルを放つ。アルゼンチンはマキシ・ロドリゲスが相手パスをカットし最後はサビオラがGKと一対一となってシュート、しかしGKファデルが必死に止める。そしてアルゼンチンは若いGKルクスのファウルでPKをとられる。17分チュニジアの絶好の先制のチャンスはマデビがワクを左へ外して逃してしまう。
　
　チュニジアのムナリの惜しいシュートのあと32分今度はアルゼンチンにPKのチャンスが訪れる。サンタナの右からのクロスにマキシ・ロドリゲスが飛び込むとトラベルシが身体でブロックしホイッスルが鳴った。落ち着き払ったリケルメはGKの動きを見極めて真ん中へ蹴りこんだ。１−０、アルゼンチンが先制した。

　その後もアルゼンチンはリケルメを中心に攻め続けソリン、ガジェッティが狙うがこのままのスコアで前半を終えた。

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　後半、一気に二人の選手交代に出たチュニジア・ルメール監督。開始早々はチュニジアが攻勢に出る。前半PKを与えてしまったGKルクスが今度はクロスをキャッチする際にファンブルしヒヤリとさせる。アルゼンチンは中盤でも相手につなぎを許し、攻めさせてスキをつくカウンター狙いがありあり。
それを見事に得点に結実させたのが57分。サンタナのパスで右サイドを抜け出したガジェッティが深くラインまで入り込んでプルバック。ゴール前にソリンとともに詰めたサビオラが引っ掛けるようなキックで決めた。２−０、磐石のアルゼンチンだ。

　しかしアルゼンチンはGKルクスがバックパスの足元の処理をミスし、ベナシュールにシュートを浴びるがワクをそれてまたまた冷や汗をかく。その汗が乾くか乾かないかの内にまたルクスがPKを献上する。72分、ゲマンディアは今度は自ら得たPKを蹴り追撃の一点とした。１−２、まだ時間はある。

　しかしアルゼンチンに焦る様子はない。サビオラに代わったテベスが巧みにGKをかわしてシュートを放つがDFジャイディがクリアする。チュニジアは必死に攻め、ドス・サントスのミドルはいいコースに飛ぶが、ここはGKルクスが懸命のセーブで事なきを得る。

　チュニジアの攻めを受け止め鋭利なカウンターを仕掛けるアルゼンチン。82分、リケルメのロングパスからガジェッティが抜け出て２点目と同じようなチャンスを作るがマキシ・ロドリゲスの右足はうまくミートできず、ポスト左へ外れていく。86分にはリケルメが鮮やかなミドルを放つがGKファデルがファインセーブで救う。

　多数のサポーターの声援にプッシュされて攻め込むチュニジア。しかし肝腎なところでは身体を張った守備を見せるアルゼンチンにシュートを決め切れず悔しい一点差負けとなった。

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　若いメンバーとはいえさすがにアルゼンチンはアルゼンチンだ、という印象のゲーム。アテネ五輪を制したメンバーが主となり、リケルメという強烈な個性が融合した今回のチーム・ペケルマンはテストをしながら、結果につなげるという難題も意外と容易になしとげるような、そんな気にさせるチームだ。しかし一年後にドイツの地を踏むメンバーを決めるだけでも大変な作業だ。見事なプレーを見せたリケルメでさえメンバー入りできるかどうか・・・・。前回02年の大失敗を教訓に、世界制覇を目指すアルゼンチンから目を離せそうにない。

　期待以上の内容を見せたチュニジアだったが、先制するPKのチャンスをミスしたのが大きく響いた。しかしアフリカ予選を勝ち抜ければ本大会では楽しみなチームになるのは間違いないだろう。とにかくモロッコとのマッチレースの様相を見せる予選を突破しなければ何も始まらない。今大会の残る２試合もそのための大きな経験にしなければならない。