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2005Ｊリーグ ナビスコカップ Ａ組第６節 アルビレックス新潟ャvs.浦和レッズ
2005年６月11日（土） 13:04キックオフ 新潟スタジアム 観衆：39.154人 天候：曇
試合結果／アルビレックス新潟３−０浦和レッズ（前３−０、後０−０）
試合経過／［新潟］エジミウソン（７分）ファビーニョ（32分）エジミウソン（37分）
取材／文 砂畑 恵
前半で３ー０というスコアーは、あくまで試合の半分を終えただけで、今年のチャンピオンズリーグ決勝のようなこともなきにしもあらずだが、サッカーはゴールが産まれ難いスポーツでもあるから、リードするチームに心のゆとりが生じることは自然なことだ。この日、ハーフタイムを迎えた新潟スタジアムの電光掲示板は新潟が３ー０でリードしていることを映し出していた。オレンジ色に染まったスタンドは朗らかな雰囲気が包む。
新潟は７分、鈴木のFKをエジミウソンが頭で押し込み好スタートを切った。先制点後も前節とはメンバー６人が入れ替わっている浦和を飲み込む勢いで攻める。劣勢を強いられた浦和は、18分にアルパイが２枚目のイエローを受けて４バックへと変更したばかりか、26分には平川が相手のタックルを受けて負傷。西谷を左サイドバックとするぶっつけ本番のディフェンスラインを組むことになってしまった。
新潟にとってはこれこそ相手に付け入る隙。ファビーニョを前線に上げ、アンデルソン・リマをトップ下に移動し、最終ラインは３バックと反町監督は大胆な采配を振るう。それがより一層、相手に混乱を招き、32分には闘莉王のヘッドへのクリアーを拾ったファビーニョがGK山岸の頭上を越えるループシュートを決め、５分後にもハイボールに被る山田の背後でボールを受けたエジミウソンが、ドリブルで闘莉王を翻弄し３点目をゲットした。
しかし、このように着実に点を重ねたものの、新潟には目の前にいる浦和の他に、見えない敵とも闘わなくてはいけなかった。決勝トーナメントに進むためには、まずは何としてもＡ組２位の大宮を引きずり降ろさねば事は始まらない。両チーム勝ち点は７だが、得失点差０の大宮に対し、新潟はー１。その大宮は同時間帯の神戸戦を２ー０で折り返している。
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そんな相手に対し浦和DFは秩序を回復していった。前半はバックラインの裏に飛び込む相手のスピードに遅れを取ることもあったが、そのタイミングにも身体が慣れて堀之内を中心に動きが柔軟になる。その影響もあり新潟のフィニッシュは精度が低くなっていった。
大宮の動向を睨む新潟ベンチは、73分に上野を送り込んだ際、改めて「得点を奪え」と強いメッセージを伝える。最終ラインは海本慶と高橋の２人に任せ、そのフォローに桑原が残るのみで、他の選手は攻撃に専念。浦和に攻め込まれるリスク承知で賭けに出るしかなかった。そして83分には萩村を前線に入れ、得点を目指し総ての手を尽くす。だが89分の鈴木、上野の波状攻撃も、ロスタイムの岡山のヘッドも浦和のゴールを揺らせなかった。
最終的には得失点１の差で新潟は決勝トーナメント進出を逃した。この試合で言えば、状況を理解しつつも前半の楽勝ムードが知らずしらずにチームを浸食していたように思え、またここまでの過程でも泣き笑いを分けることになった、積み損ねた勝ち点やゴールについてサポーターも含め、新潟に関わる人々は再検証しないといけないだろう。
さて浦和に関しては、細貝、赤星はＪ１を肌で感じ、横山も久々にピッチに立つ機会を得た。各々、ボールタッチやパスを捌くアイディアに非凡なセンスがかいま見られたが、状況判断スピードやフィジカル面など足らない部分も確認出来たことだろう。また退場となったアルパイについてはピッチを去る際、サポーターからコールが起こったことを書き添えたい。
