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| ビッグフラッグも追い風をはらむ。 |
2005Ｊリーグ ディビジョン２ 第４節 モンテディオ山形vs.京都パープルサンガ
2005年３月26日（土）14:04キックオフ 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 観衆：5,727人 天候：晴
試合結果／京都パープルサンガ２−１モンテディオ山形（前１−１、後１−０）
得点経過／［京都］パウリーニョ（18分）、［山形］チッコ（43分）、［京都］大久保裕樹（66分）
取材・文／西森彰
ホームの京都パープルサンガは、前節、湘南ベルマーレとの首位対決を制して開幕３連勝と絶好調。その原動力となっているのが、前線でチャンスを窺う２人のブラジル人選手だ。柱谷幸一監督自らブラジルまで足を運び、獲得に踏み切ったアレモンと、パウリーニョは、指揮官の眼鏡の確かさを裏付ける活躍を見せている。
これに対するモンテディオ山形もここまで無敗。ザスパ草津に勝ち、横浜FCとドロー。そして前節はヴァンフォーレ甲府を破って２勝１分けと好スタートを切っている。柱谷幸一監督にとっては指揮を執っていた古巣との対戦、京都にとっては前節の湘南戦に続き、眼下の敵との首位攻防戦というシチュエーションだ。
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| 数でこそ劣ったが、熱さでは負けない。 |
そして18分、中央で持ったアレモンが山形のライン裏を取りに行ったパウリーニョにスルーパス。これをパウリーニョが確実に決めた。外国人２トップの破壊力がこの日もモノを言った。勢いに乗る京都はファンの声援を背に受けながら攻勢を取り続ける。34分、カウンターから２対１のチャンスを作るが、パウリーニョからアレモンへのパスがDFに引っかかり、止めを刺すには至らなかった。
一方、山形も失点後、徐々に体勢を立て直していく。そして京都が攻め疲れた40分過ぎに、ようやく反撃を開始。京都ゴール前で２度、３度とチャンスを作る。そして43分、左サイドから原竜太が上げたセンタリングを、中央でチッコがヘディングシュートで、ゴールネットを揺らす。山形は良い時間帯に追いついた。
後半は、山形が右サイドの佐々木勇人を起点にして攻撃すれば、京都も星大輔と美尾が２トップに絡む。両軍ともサイド攻撃が活発化してきた。京都の柱谷監督は56分、早くも美尾からフェイスガードを着用した中払にリレー。64分には、星から加藤大志とフレッシュな選手を入れて、サイドの攻防を優勢に運ぼうとする。
対する山形の鈴木淳監督は、相手に２枚カードを切らせた後、チッコから林晃平の交代に踏み切った。しかし、これが折悪しくも京都FKの場面。そのまま選手交代をさせたが、これでマークがズレたか。京都の右サイドバック・大久保裕樹は、ファーサイドに抜けてきたボールに、全くフリーな状態で頭をあわせた。
市立船橋高校で全国高校サッカー選手権を制した大久保だが、サンフレッチェ広島時代を含めてのＪリーグ初ゴールが、決勝点となった。山形の反撃を的確に潰した京都は、巧みにカウンターを織り交ぜながら、ゲームをコントロール。４分ほどのロスタイムも凌ぎきって４連勝を飾った。
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| 波に乗る京都。その勢いは止まらない。 |
勝った京都は、２トップの決定力をチーム全員が信頼し、どれだけ良い形でボールを渡せるかを考えている。局面に応じてフォアチェックをするふたりだからこそ、後ろの選手もストレスを溜めることなく、プレーが続けられるのだろう。パウリーニョとアレモンのふたりもお互いを思いやりながら、自分の得点後は相手にゴールを挙げさせようと、いじらしいほどにボールを預ける。
勝利がチーム内に良い雰囲気を作る好サイクル。J1からの降格チームが無かった今シーズン、早い段階で躓かなければ、昨年の川崎フロンターレのように、昇格へ向けて驀進する可能性すら感じさせている。
