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2005Ｊリーグ ヤマザキナビスコカップ グループＡ 第２節 浦和レッズvs.大宮アルディージャ
2005年3月26日（土）16：05キックオフ さいたま市浦和駒場スタジアム 観衆：17.494人 天候：晴
試合結果／浦和レッズ２−１大宮アルディージャ（前２−０、後０−１）
試合経過／［浦和］田中（15分）エメルソン（23分）［大宮］冨田（64分）
取材・文／砂畑 恵
64分、「出島」と呼ばれるアウェイスタンドが沸騰した。藤本のFKが右ポストの方角にスッと伸びていく。長身のトニーニョに合わせると判断した都築は思い切り前へ出たもののその手は空を切る。その背後にいた冨田が流れ球に果敢に飛び込みネットを揺さぶった。荒ぶるオレンジ軍団。ここから大宮の猛反撃は始まった。
前半の浦和は貫禄があった。開始こそ大宮は五分に渡り合っていたが、10分過ぎには浦和がボールポゼッションで優位に立つ。アウトサイドは意図的にポジションを上げて相手を牽制。特にアレックスは２トップに並んでフラットになった大宮DFの間へ入り込むほど。FWからのチェイスも復活。大宮・三浦監督に「二人のストライカーのスピード感は、今までの対戦相手と比較しても非常にタフ」と言わしめるくらい圧迫感を与える。
それに耐えかねたような大宮守備陣のミスから浦和の先制点は産まれた。「前の選手からああやって追いかけてくる。それが、これまでと勝手が違った点」（大宮・三浦監督）。田中の早い寄せに三上は苦し紛れにフォローに来たマーカスへとボールを預ける。急いでバックパスを選択したマーカス。その窮状をエメルソンは見逃さない。トニーニョの手前でボールをさらうとゴールへ突進。シュートはGK荒谷の見事なプレーに防がれたが、そのこぼれを田中がきっちり流し込んでゴールを奪った。
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その後、反発する大宮の攻撃に対し、浦和は安定した守備を披露。内舘や闘莉王が相手の攻撃を的確に摘み取る。攻めては長谷部が繰り出すパスから数々のチャンスが演出され、選手の一挙一動に浦和サポーターからは歓声が起こる。39分には闘莉王に故障が発生し、急遽、堀之内をピッチに送り出す事態に見舞われるが何の混乱もなく前半を終えた。
前半は意気消沈した大宮だがハーフタイムを挟みアグレッシブさを取り戻した。浦和は攻撃の手を緩めることはなかったが、守備陣は引いてしまった前半とは違い、「前で勝負」の積極的な意識が再び芽生える。古巣との対戦に奮うGK荒谷も好守でチームを支えた。
攻撃でも50分、マーカスのロングパスに被るアルパイの背後でクリスチャンがトラップからシュートへと持ち込む。GK都築の好セーブで得点こそならなかったが感触は悪くはない。後半頭から交代出場した桜井も右に左にと顔を出し、攻撃のリズムを作っていく。更に63分に森田も投入し３トップに変更。その直後のFKで冒頭のゴールシーンとなっていく。
これで勢いに乗った大宮は浦和を自陣へと一方的に押しやった。75分にはアルパイをかわしたクリスティアンのボールキープから森田がシュートを放つもGK都築の好守に会う。88分にはドリブルで相手を切り崩した桜井のパスをクリスティアンがスルー。フリーの森田が豪快にシュートしたがポストが無情にも阻む。その上、交代カードを使い切ってからのクリスティアンの負傷。同点、あるいは逆転さえも可能な雰囲気もあっただけに、詰めの正確性を欠いて浦和を追い落とすことが出来なかった大宮は悔しさが残る試合だろう。
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81分に西谷をピッチに送り出し、エメルソンのワントップにしてからはチーム状況は好転するどころか悪化した。前線にロングボールを放り込んでエメルソンに「何とかしてくれ」と言わんばかり。後ろの押し上げもなく、味方のフォローもなければ、いくらエメルソンが凄い選手だとしても４人のDFとの駆け引きに勝つのは至難の技。結局、マイボールを失って直ぐに大宮に攻め込まれるを繰り返し、自分の首を締める結果となっていった。
２−０でリードしていて、それから１点を返される。試合の中で、段々リズムを壊していく」（浦和・ブッフバルト監督）。ナビスコ２戦とも同じ展開となったことに「彼らの頭の中で、あるいは『トラウマ』になっているのかもしれない」と、勝ち点６でＡ組の首位に立ちながらも浦和・ブッフバルト監督のコメントは歯切れが悪かった。
