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2004Ｊリーグ ディビジョン２ 第31節 川崎フロンターレvs.サガン鳥栖
2004年8月29日（日）18:00キックオフ 等々力陸上競技場 観衆：5,061人 天候：雨
試合結果：川崎フロンターレ５−０サガン鳥栖（前１−０、後４−０）
得点経過／［川崎］佐原（８分）、ジュニーニョ（48分）、マルクス（71分）、ジュニーニョ（74分、79分）
前節からだっただろうか。等々力競技場の電光掲示板に現れたのは、“Challenge100−勝ち点100への挑戦−”というキャンペーン。もはや「J１昇格」は目標として適当でないのかもしれない。30節終了時点で勝ち点は２位と28もの差をつけ77点。第28節、30節にそれぞれ２位争いを繰り広げている福岡、京都に全く危なげなく勝利し、29節には神奈川ダービーで横浜FCを大量５ゴールで葬り去った。これだけ圧倒的な内容で且つぶっちぎりでリーグをリードしていれば、モチベーション維持も難しいのではないだろうか。
鳥栖は序盤こそ健闘していたものの、過去10戦は２分け８敗。最後の勝利は第20節の札幌戦までさかのぼらなければならない。川崎との成績を比較すれば、鳥栖に勝利を期待するのは酷かもしれない。しかし、第18節に当時10連勝していた川崎の連勝記録をストップしたのは鳥栖だ。川崎のホーム全勝記録、そしてその18節以来続けている無敗記録がどこまで続くのか見てみたい反面、それらの記録を止め、鳥栖が「川崎ストッパー」になるのも少し期待する気持ちもある。
試合は予想通り川崎ペースで始まり、８分に早々と先制点を挙げる。コーナーキックからアウグストが打点の高いヘディングでゴールを狙い、鳥栖GKシュナイダーはこれを弾くことができたが、弾いたボールをゴール目の前で佐原がプッシュ。これは防ぐことができなかった。川崎は更に攻め立てる。10分にはマルクスのシュートがディフェンスに当たり、こぼれたボールを我那覇がシュートに持ち込む。13分にはアウグストがゴールに向かってカーブするクロスボールを入れ、ジュニーニョが頭で追加点を狙う。
鳥栖も負けじと応戦。14分には左サイドを竹村、田代が突破し、田代がシュートを狙うが、川崎の守備陣は人数が揃っており伊藤宏樹がこれをブロックする。19分には小石の突破の試みから右サイドで鳥栖はフリーキックを得る。少し距離はあったが、竹村が直接スピードあるキックでゴールを狙うも、これはバーに阻まれてしまった。
しかしまたここから川崎の波が押し寄せる。鳥栖はジュニーニョ、我那覇、マルクスにマンマークをつけたが、何度も川崎にシュートチャンスを与えてしまう。特にジュニーニョ。山道はマークをしているが、何度もこのブラジル人がボールを受け取れば振り向かれ、ドリブルで突破された。川崎は21分にジュニーニョのドリブルシュート、そしてこのプレーにより得たコーナーキックから中村が走りこみシュート、24分にはまたジュニーニョのドリブルシュートと、連続してチャンスをつくり、34分にはまたもジュニーニョがポストをかすめるミドルシュートを放つ。
鳥栖はクリアボールも攻撃も中盤でつぶされ、なかなか川崎陣内に侵入できない。35分には小石の長いクロスボールを羽畑がゴール前で受け取りチャンスとなったが、シュートをミートさせることができなかった。
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川崎は前半のように畳み掛けて攻撃したいところだが、ここから鳥栖が連続してチャンスを作る。51分、川崎の攻撃をインターセプトした朝比奈から左の竹村へボールが渡り、竹村は時間をかけずに一気に前線へ走る田代へロングボールを送った。必死に戻るディフェンス陣よりゴール前に詰めた田代はダイレクトでゴールを狙うが、GK吉原は飛び出ししっかりとコースを塞ぎ、ゴールを許さなかった。直後に審判に異議を申し立てたアウグストがイエローカードをもらい、２度目の警告４枚累積により２試合出場停止となってしまう。55分にも田代が惜しいシュートを放ち、それによって得たコーナーキックから朝比奈が放ったヘディングシュートはバーに当たってしまう。ゴールまであと少しだ。56分に鳥栖は羽畑に代え佐藤を投入し、攻撃の活性化を図る。しかし。58分の伊藤のシュートを最後に、川崎に主導権が戻る。
悪いリズムの時間帯をしのいだ川崎は、64、66、68分と鳥栖を襲い、71分に追加点を入れる。鳥栖の攻撃を抑えると、クリアボールを長橋、ジュニーニョと繋げ、今度はマルクスがフィニッシュを担当。流れるようなカウンターで３対０とした。その３分後には、ルーズボールを左サイドで奪ったジュニーニョが、１回の切りかえしでディフェンス２人をかわしペナルティ・エリアに侵入し、GKシュナイダーまでもかわし、ボールをゴールへ送り、スーパーゴールを演出した。
７７分には鳥栖がまたもロングボールを田代に放り込み、あわやゴールという場面を作ったがそれも防がれ、79分には逆に川崎、中村がセンターラインあたりから長いスルーパスを送ると、それにジュニーニョが反応し、またも鳥栖GKをかわし、体勢を崩しながらも、自身のハットトリック、チームの５点目となるゴールを決めた。すでに勝機はない鳥栖だが、あきらめず懸命に１ゴールを目指したが、それも叶わず第２１節以来の完封勝ちを川崎に献上してしまった。
両チームには大きな差が見られたが、鳥栖はゴールのチャンスが無かった訳ではない。バーに当たったシュートも２度あったように、決めるときに決めておかなければ、上位チームと連続して当たる来週からも厳しい試合を強いられるだろう。気を取り直し、九州ダービーではエキサイティングな試合を見せてもらいたい。
川崎はまたも攻撃力が爆発した。特にジュニーニョは30試合出場して31得点。そのプレーぶりもJ２のレベルを超越している。そのジュニーニョも今日警告をもらい、アウグスト同様、次節から２試合出場停止となる。この２人を欠くのは大きな戦力ダウンになることは否めないが、圧倒的な勝ち点リードを持つ今、それ程気にすることはないのではないだろうか。次にあたる、２位グループの甲府、大宮は大助かりだろうけど・・・。
