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　webnews　04/08/03 (火)

カリミ、カリミそしてカリミ！イラン、「世界４位」を倒し準決勝の地・北京へ！
AFC Asian Cup China 2004 準々決勝　韓国vs.イラン

2004年7月31日（土）21:00キックオフ　済南・山東省スポーツセンター　
試合結果／韓国３－４イラン（前２－２、後１－２）
得点経過／［イラン］カリミ（10分）、［韓国］薛琦鉉(16分）、［イラン］カリミ（20分）、［韓国］李東國（25分）、［イラン］オウンゴール（51分）、［韓国］金南一(68分）［イラン］カリミ（77分）

文／貞永晃二

　実力的に見れば事実上の決勝戦ともいえた準々決勝。激しい点の取り合いは前後半に渡って続いたが、ついに韓国は一度もリードを奪えず惜敗、志半ばで帰国の途に着くことになった。

　まずイランが口火を切る。ダエイから受けたマハダビキアが鋭い切り返しでDFをかわし左足で狙う。韓国も金南一が薛琦鉉の戻したボールを強く叩く。アグレッシブに戦う両チーム。相手の様子を見るという消極的な様子は微塵も見せない。そして、イランが先制したのが10分。右サイド深く送られたボールをゴールラインぎりぎりからマハダビキアがボレーで折り返すと、走りこむカリミの頭にピンポイントで合う。振り下ろされたヘッドはGK李雲在にはノーチャンス。左スミに吸い込まれた。

　しかし韓国も負けていない。左サイドを崩し入れられたクロスから最後は李東國がヘッド。GKミルザプールがはじき出す。さらに押し込む韓国。16分李東國、朴智星とダイレクトでつなぎ抜け出した薛琦鉉が左足ボレーで決める。これは大変な試合になる、誰もがそう予感させられる展開だ。

　同点に意気上がる韓国は朴智星がドリブルシュート。これはGKが辛うじて弾き出す。GKのファインセーブに助けられたイランが追加点をあげるのだから試合は先が読めない。20分、またもチャンスメーカーを演じるのはマハダビキア。右サイドから早めに入れたクロスは二人のDFにはさまれたカリミへ。またも彼のキックの正確さを評価せざるを得ないボールからカリミが、今度は右サイドネットに突き刺した。

　しかしイランの喜びもほんのつかの間、5分後韓国はイランの左サイド奥で得たスローインから低い弾道のクロスを入れるとDFがヘッドでクリアしきれず方向を変えるのがやっと。李東國がダイレクトでネットを揺らした。この同点ゴールで李東國は今大会４点目、かつてのエースは完全復活を遂げたようだ。

　さあ逆転と韓国はたたみかける。朴智星がオフサイドラインを巧妙に破り右足を一閃、しかしGKミルザプールが防ぐ。イランはダエイがトップの位置から下がってポイントを作り、自らはオトリとなる。彼に自由を与え過ぎるため、彼からマハダビキアへ、そして決めるのはカリミという、３人の単純ながらもすさまじい攻撃力を抑えきれない韓国。特に曲者マハダビキアに対応するのが若い金珍圭では荷が重い。

　しかしながら前半の終盤はともにやや攻め疲れのためか遠目からのシュートが目立つようになる。そんな中でイランの小兵・カエビの切り裂くようなドリブルがあわやのチャンスを作る。しかし得点は動かず、前半終了のホイッスルが鳴った。

　ニ度のリードを追いつかれたイランだが三度目の歓喜もまた先に味わうことになる。51分、カウンターからまたもマハダビキアが右サイドを突破、走りこむダエイめがけ鋭いクロスを流し込む。懸命に戻った朴眞燮だったがクリアするには加速がつき過ぎていた。やむを得ないオウンゴール。さわらなければダエイがいたのだから。

　今度こそ２点のリードが欲しいイラン。３ゴールすべてをアシストしたマハダビキアとカエビの二人が右サイドを執拗に破ろうとする。そしてダエイの素晴らしいジャンプからのヘッドが韓国ゴールを襲う。韓国はDFを削り、切り札・安貞桓を投入する。早速、安貞桓がシュートを放ち、劣勢の韓国を奮い立たせる。そして安貞桓という刺激を得た韓国が68分、三度めの同点ゴールを決める。ハイボールを競った薛琦鉉、それを拾い李東國が戻す。そこへ走りこんだ金南一のミドルはDFに当たりさらにGKの目前でバウンドしミルザプールの伸ばした手を振り払うかのように突き刺さった。３－３だ。

　ビハインドにくさることなく執念で追いつく韓国。三度のリードをフイにされてもさらなる得点を求めて前へ前へと向かうイラン。大会のベストゲームの結末はどうなるのか、観衆の興奮は高まるばかりだ。イランはネクーナム、ザレから強烈なミドルが飛ぶ。ペースはイランが握ったようだ。そしてこの試合の最後の得点が韓国ゴールのネットを揺すった。77分、左サイドに現れたマハダビキアを止めきれず韓国DFがファウル。代表でも、所属するＨＳＶでも背番号「２」にこだわるこの男の蹴ったFKは、GKへのシュート性のボール。ニアポストに侵入したカリミのハットトリックとなるワンタッチが韓国には痛恨の失点となった。
それにしてもマハダビキアは４点ともにアシスト（３点目はオウンゴールだが）とは大変なものだ。

　四度目の同点ゴールには時間が足りない。さすがの韓国にも焦りが見られ、せっかくのFKのチャンスも安貞桓と走りこむ選手との息が合わず無駄にしてしまう。最後は李東國のチャンスをGKがおさえ大激戦にエンドマークが打たれた。

　またも日韓の決勝対決は実現しなかった。ベスト８で消えるにはあまりにも惜しいチームだ。観戦する側からは一発勝負は確かにスリリングなものだ。しかしアジアのさらなるレベルアップにはノックアウト方式ではなく準決勝リーグ方式をとるべきだと思うのは私だけだろうか。８チームを４チームずつに分けての総当たり戦を行い、１位同士で決勝、２位同士で３位決定戦を行うのだ。４年に一度、アジア王座を決める大会なのだから、１試合でも多くの真剣勝負を行うべきだと考える。

　この方式の採用によって総試合数は当然増えるが、決勝進出チームでも１試合多く戦うことになるだけなのだ。狭いヨーロッパとは異なり頻繁に行き来ができない広大なアジア。親善試合もなかなか行えず、毎回事前情報が少なく、ギャンブル的な戦い方が繰り返されるアジア。世界のトップに近づくためにも改革すべき点は早急に実行すべきだろう。

（韓国代表）			（イラン代表）
	GK：	李雲在（イ・ウンジェ）		GK：	ミルザプール
	DF：	崔眞喆（チェ・ジンチョル）　李敏成（イ・ミンソン（85分／朴ヨセフ（パク・ヨセフ）金珍圭（キム・ジンギュ）		DF：	ゴルモハマディ　カエビ（90分／アミラバディ）　タギプール（17分／モバリ）　カメリ
	MF：	朴眞燮（パク・ジンソプ（64分／安貞桓（アン・ジョンファン））　金南一（キム・ナミル）　李榮杓（イ・ヨンピョ）　朴智星（パク・チソン）　薛琦鉉（ソル・ギヒョン）　車ドゥリ（チャ・ドゥリ（75分／鄭琦鎬（チョン・ギョンホ））		MF：	ザレ　ネクーナム　カリミ　アラヴィ　マハダビキア
	FW：	李東國（イ・ドングッ）		FW：	ダエイ

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