アルゼンチンが危なげなくファイナルの椅子獲得！
COPA AMERICA PERU2004　準決勝　アルゼンチンvs.コロンビア

2004年7月20日（火）19:45キックオフ　エスタディオ・ナシオナル（リマ）　
試合結果：アルゼンチン３−０コロンビア（前１−０、後２−０）　
得点経過／［アルゼンチン］テベス（32分）、ルイス・ゴンサーレス（49分）、ソリン（79分）


文／中島　泰介

　アルゼンチンは守備の要、センターバックのアジャラを欠くも、それ以外はベストの布陣だ。ダレッサンドロに代わり、初先発テベスがトップ下で攻撃の起点を作る。コロンビアは累積警告で準々決勝を欠場したマルティネスが右サイドバックに戻り、トップにパワフルなエドウィン・コンゴをスタメンにもってきて試合に臨む。

　開始２分のアルゼンチン、デルガードの中距離からのオープニングシュートで動き始めたこの試合、序盤からアルゼンチンがボールを常にコントロールする。ここまで全ての試合で圧倒的なボールポゼッションを維持するアルゼンチン、もうこれは見慣れた展開だ。

　サネッティが３分、センターライン付近から２人を抜いて右サイドをえぐり、サネッティからボールを受けたデルガードがクロスボールを入れる。続く８分、サネッティが一度デルガードにボールをあずけ、その折り返しを受けてからペナルティ・エリアまで侵入。さらにコロンビアのディフェンスを振り切りゴール前へ速いボールを入れようとするが、これはGKエナオがブロックし、コーナーキックに逃れる。ゴールにはならなかったものの、相変わらず強力なサイド攻撃だ。10分、15分にも右サイドからチャンスを作る。

　コロンビアはGKエナオ、そしてセンターバックのアンドレス・ゴンサーレスとオロスコが何とか踏ん張っているが、アルゼンチンがこのような攻撃を続ければ、90分耐えるのはとても困難だろう。攻撃ではカウンターを狙いたいところだが、トップの選手だけではアルゼンチンの守備を脅かすことはできず、後ろの選手がサポートに来たときにはすでにアルゼンチンの守備陣も人数を揃えており、シュートすら打つ機会がない。

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　24分、アルゼンチンが惜しい場面を作る。またも右サイドで、狭いスペースでの細かなパス交換からサネッティがクロスをいれる。GKエナオがフィゲロアと競りながら、ゴール前に入ってきたこのボールを弾くが、こぼれ球はキリ・ゴンサーレスの下へ。ワントラップして放たれたシュートはエナオを破るが、その後ろでディフェンスが頭で何とかはじき出した。

　31分に左サイド、ソリンが中央へ横パスを入れ、デルガードからテベスへボールが渡ったところで、アギラルがファウルを犯し、アルゼンチンにフリーキックが与えられた。キッカーはテベス。ペルー戦とほぼ同じ位置からのフリーキックを、テベスが見事に決めアルゼンチン先制。逆方向に重心がかかっていたエナオはボールに反応しきれず、ボールに触るのが精一杯だった。

　アルゼンチンのリズムのまま後半に突入。そして後半に入ってわずか４分でアルゼンチンに追加点が生まれた。左サイドでフィゲロア、キリ・ゴンサーレス、ソリンそしてまたフィゲロアとパスを繋ぎ、ペナルティ・エリア内に侵入してコロンビア守備陣を混乱させる。フィゲロアはマイナスのパスをゴール前に送り、フリーだったルイス・ゴンサーレスがダイレクトでボールをゴールへ流し込んだ。コロンビアの守備の人数は足りていたが、フィゲロアのボールがゴール前に入る瞬間、ルイス・ゴンサーレスの他に、ソリン、テベス、デルガードと４人もゴール前に詰めており、マークに付ききれなかった。

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　コロンビアは攻撃陣を少しでも活性化させたく、57分にアギラルをビアファラに、60分にムリージョをペレーアに代えるが、リズムは変わらずゲームが進む。アルゼンチンのプレッシャーに、コロンビアはなかなか前にパスを出せない。前に走りこもうとする両翼の選手に対するサイドパスも、選手の後ろに行ってしまうことが何度もあり、結局は攻撃を仕掛けることができないでいる。アルゼンチンはフィゲロアに代わり、ディフェンスの選手キローガをいれ、守備に力を入れる。アジャラの欠場は少し不安だったのだが、アジャラ抜きのディフェンス能力を試せる場面すらないくらい、コロンビアは攻撃を組み立てられないでいる。

　74分、コロンビアは初めてアルゼンチンゴールの枠に飛ぶシュートをパティーニョが放つが、これはGKアボンダンシエーリが正面で難なくキャッチする。逆に79分、勝てる見込みが全く見えないコロンビアに判決が下る。デルガードに代わりピッチに入ったロサーレスのフリーキックに、ディフェンスラインを抜け飛び出したソリンがダイビングヘッドでアルゼンチンに３点目をもたらした。

　決定的なゴールを奪われた後、何とか１ゴールを目指しアルゼンチン陣内へ攻撃を試みるも、大した抵抗はできず、ディフェンディング・チャンピオンは完敗で準決勝を後にすることになった。

　グループリーグでメキシコに敗れたものの、それ以外は危なげない試合で勝ち進んだアルゼンチンは一足先に決勝進出を決め、対戦相手の決定を待つ。ウルグアイとブラジル、どちらが来ても決勝は伝統あるライバル対決だ。相手にとって不足はないだろう。