アジアカップ開幕！中国はバーレーンとドロー発進！！
AFC Asisn Cup China 2004 グループリーグＡ　中国vs.バーレーン

2004年7月17日（土）20:00キックオフ　北京工人スタジアム　
試合結果／中国２−２バーレーン（前０−１、後２−１）
得点経過／［バーレーン］モハマド・フバイル（42分）、［中国］鄭智（59分）、李金羽（69分）、［バーレーン］フセイン・アリ（89分）


文／中倉一志

　アジア王者を決定するアジアカップが17日、中国で戦いの幕を開けた。今年で13回目を迎えるこの大会は、Ｗ杯の中間年に４年に１度開催されるもので、その歴史は欧州選手権よりも２年古い。今大会には過去最高となる16カ国が参加。４カ国ずつ４グループに分かれてリーグ戦を行い、各グループの上位２カ国が決勝トーナメントに進んで優勝を争う。最多優勝回数はイランとサウジアラビアの３回。我がジーコジャパンは、２大会連続３度目の優勝を目指す。

　さて、北京工人スタジアムで行われた開幕戦で顔をあわせたのは、地元中国と、ここのところ心境著しいバーレーン。地元の利を生かして初優勝を狙う中国は、ベテランＦＷのハオ・海東を中心とする攻撃的なサッカーで初戦勝利を目指す。一方、開催国・中国に一泡吹かせようと狙っているのはバーレーン。巧みな試合運びと、一筋縄ではいかない曲者ぶりはアジア五輪最終予選で実証済み。こちらも目指すは勝ち点３だ。

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　立ち上がりの主導権を握ったのはバーレーン。前評判通りの巧みな試合運びでペースを掴む。３−５−２のフォーメーションを敷くバーレーンは、基本的には、やや引き気味の位置にゾーンを形成し、相手が入ってくるところを捕まえるスタイル。ただし、チャンスと見るや、ゾーンをすっと上げて高い位置からプレッシャーをかけ、奪ったボールを素早くサイドへ展開する。この巧みな攻守の切り替えの前に、中国は自陣に押し込まれる時間が続く。

　しかし13分、最初の決定機が中国に訪れる。自陣から攻めあがったバーレーンの左サイドのスペースにロングボールを放り込む。そこへ猛然と駆け上がったのは右ＳＢの魏新。トップスピードに乗ってスペースを駆け上がると絶妙なクロスボールをゴール前へ。ＤＦの間に入り込んでフリーになった李霄鵬がヘディングシュートを放つ。残念ながら、このシュートはゴールマウス左側に外れたが、このプレーをきっかけに、中国が反撃を開始した。

　中国は手間をかけずに長めのボールをバーレーンの両サイドに供給。右からはＳＢ魏新が、左からは閻嵩が飛び出してチャンスを作る。一方のバーレーンも低く構える守備と、高い位置からプレッシャーをかける攻撃を使い分けて中国の隙を狙う。試合展開は五部と五分。緊迫した雰囲気がスタジアムを包む。そんな均衡が破れたのは41分。中国がＣＫで攻め上がった後の一瞬の隙をバーレーンが鮮やかに突いた。そして中国の決定機はロスタイム。ＣＫのチャンスにペナルティエリアの外にいた閻嵩ガダイレクトボレーでゴールを襲う。しかし、シュートは枠の左に外れた。そして０−１のまま前半戦を終えた。

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　１点のビハインドを負った中国は、後半の立ち上がりから積極的に前に出る。そして49分、左サイトを突破した李金羽が胸トラップでボーヘルを落として前へ。ＧＫとの１対１の状況からシュートを放つ。続く50分、周挺の右足から放たれた強烈なミドルシュートがゴールを襲う。ＧＫのセーブの前に得点にはならなかったが、ラインを上げて高い位置から圧力をかける中国が試合のペースを掌握するる。特に鋭い突破でバーレーンの左サイドを切り裂いていくＭＦ閻嵩の動きがチームのリズムを作り出す。

　アラー・フバイル１人だけを前線に残して10人で守りを固めるバーレーン。しかし中国は攻撃の手を緩めない。そして59分、右サイドを突破した閻嵩が切り替えしてペナルティエリア内に侵入しようとしたところ、飛び込んだモハンマドの手が思わずボールに触れた。判定はもちろんＰＫ。これを鄭智が落ち着いて決めて、まずは同点。さらに69分、ボールを持ち上がった周挺からのスルーパスに、斜めに走りこんできた李金羽が左足を一閃。ボールはバーレーンゴール右隅に吸い込まれた。

　両チームの勢いから見て、これで勝負あったかと思われた。しかし、バーレーンはここから息を吹き返す。守備一辺倒の試合展開から、再び引いては出で、出ては引くスタイルのサッカーを展開。同点ゴールを目指す。ジワリ、ジワリと押し返すバーレーン。そして89分、ロングフィードを受けたフセイン・アリが強引にドリブル勝負を仕掛け、こぼれたボールに渾身の力を込めて左足を振り抜いた。揺れるゴールネット。静まり返るスタジアム。そして３分間のロスタイムを消化し、試合終了を継げるホイッスルが鳴った。

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　ともに勝機のあった試合だった。バーレーンは１点を奪うまでは狙い通り。しかし、余りにも守りに入るのが早すぎた。中国が高い位置からボールを追いかけだしたという側面はあるにせよ、前半と同じ戦いを繰り広げなかったことに対して悔いが残る。また中国も、いい流れで逆転しながら、最後の数分間を守りきることが出来なかった。フセイン・アリの強引さに振り切られた形が、やはり、あそこは踏ん張らなくてはいけないところだ。

　しかし、リーグ戦を戦っていく上で最も大切なことは負けないこと。勝ち点２を失った試合といえるが、リーグ初戦を引き分けたという結果は、決して悪い結果ではない。90分間の間に、自分たちの戦い方を披露することが出来たのも好材料といえる。この悪くないリズムを次の試合に確実につなげ続けられるかがポイント。両チームにとってグループリーグ突破できるか否かは、次の試合の戦い方にかかっている。