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2004Ｊリーグ ディビジョン１ １stステージ 第12節 FC東京vs.ガンバ大阪
2004年6月12日（土）15:30キックオフ 味の素スタジアム 観衆：23,698人 天候：曇り
試合結果／FC東京２−１ガンバ大阪（前１−１、後１−０）
得点経過／［Ｇ大阪］大黒（０分）、［FC東京］ルーカス（11分、76分）、
取材・文／中島泰介
ディビジョン１が３週間中断している間に関東も梅雨入りが宣言された。どうやら雨は降りそうにないが、空は雲に覆われ、湿度の高さを感じる天気で、決して選手にとって快適な気候ではない。現在勝ち点１差と拮抗してそれぞれ７位、８位に位置しているFC東京とガンバ大阪。上位とも下位とも勝ち点差が小さい現在、両チームともこの試合で勝利し、上位グループに割り込みたいところだろう。今日はこの２チームにこのどんよりとした天気を吹っ飛ばしてもらいたい。
FC東京は中断前の第11節鹿島戦、勝てそうな試合を引き分けで終えてしまったものの、リーグ中断中のヤマザキナビスコカップで２連勝。この好調のリズムを維持したいところだ。方やガンバ大阪、リーグ前節は大勝、そしてヤマザキナビスコでのジュビロ磐田との２連戦は１勝１敗。２戦目の敗戦はリズムに乗る前に３失点を喫したのが悔やまれるが、落胆する成績ではない。最後まで同点を目指したスピリットを今日の試合でも期待したい。
試合の１時間程前に味の素スタジアムに到着したが、すでに多くのファンがぞくぞくとスタジアムへ向かっていた。そこである案内の男性が、「サッカースクールに参加する方はこの階段を下りてください」と言っていることに気づいた。ただサッカースクールと言っていたが、彼のTシャツにプリントされていたのは“ロベルト・カルロス・サッカースクール”。そういえば今朝ニュースでロベルト・カルロスが前日に来日をキャンセルし、FC東京の指導スタッフだけによるスクールへの変更になったというニュースを読んだ。子供達は残念でならないだろう。
試合はガンバ大阪のキックオフでスタート。試合はいきなり動いた。開始０分、二川のバックスピンのかかった短い縦パスをゴール前で受け取った大黒が、FC東京ディフェンスとキーパーと競いながらボールをゴールへ蹴りこんでガンバ大阪が先制。FC東京には落ち着く間もない失点だった。しかし、この先制点以降ゲームを支配したのはホームのFC東京だった。ここから立て続けにガンバ大阪ゴール前へ襲いかかる。５分、馬場の左コーナーキックをガンバ大阪のキーパー松代がパンチングでクリアし損ない、ボールは図ったかのようにゴール前の今野の足元にポトンと落ちてきた。これをゴールへ蹴りこめば良いだけだったが、今野はこれをふかしてしまう。頭を抱える今野。８分には馬場のロングシュートがディフェンスに当たりまたFC東京はコーナーキックを得る。これはルーカスの頭にあわせたもののゴール枠からは大きく逸れた。
10分にはまたもFC東京がコーナーキックを得る。左からの馬場のコーナーキックに飛び込んだのはジャーン。叩きつけるドンピシャのヘディングをガンバ大阪のゴールキーパー松代は横っ飛びでファインセーブ。見事にゴールを防いだ。ジャーンが天を仰いだすぐ後、FC東京に歓喜が訪れる。連続して得た、今度は鈴木の右コーナーキックを、ルーカスがディフェンダーを吹き飛ばし、力強いヘッドで同点ゴールを突き刺した。
14分にも馬場の縦パスを受けて左サイドを戸田が仕掛け又もコーナーキック。ジャーンのヘッドがガンバ大阪のプレーヤーに当たりピッチを出て、またも連続コーナーキック。この右コーナーからのルーカスのヘッドはバーの上を越えた。虫垂炎の手術による宮本の不在が影響しているのか、ガンバ大阪ディフェンスに混乱が見られた。コーナーキックはほとんどFC東京の選手にしっかり合わせられている。
ガンバ大阪は先制点以降なかなか攻めを見せることができない。大黒、フェルナンジーニョを中心に攻撃を図るが、FC東京のプレスに苦しみなかなか中央へ入れない。しかし18分にチャンスが訪れる。ペナルティ・エリア前でフェルナンジーニョが浅利からファウルを受け、好ポジションからFK。しかし遠藤の放ったフリーキックはバーを叩く。33分には右からのクロスをファーで受け取ったフェルナンジーニョがFC東京のディフェンスを一人かわしてシュート。これはゴールキーパー土肥にブロックされ、このプレーで得たコーナーキックもゴールにつながらなかった。
36分には金沢のミドルシュート、40分にはこぼれ球を拾った今野のドリブル突破などでFC東京がまた攻撃を見せるが、41分にガンバ大阪は18分とほぼ同じ位置でフリーキックを得る。そして、遠藤のキックはまるでビデオのリプレーを見るかのようにバーに当たる。ボールはほぼ真下に跳ね返り、土肥がしっかりとキャッチし事なきを得た。44分には逆にFC東京がペナルティ・エリア右端でフリーキックを得る。キッカーは鈴木。ヤマザキナビスコカップ神戸戦の、ロベルト・カルロスばりのフリーキックを思い出し、期待したFC東京ファンが多くいたことだろう。このレアル・マドリードのスターに少し似た助走から放たれたボールは、ガンバ大阪の壁にぶつかりコーナーキック。コーナーキックのクリアボールをカウンターにつなげ、ガンバ大阪は反撃を試みたが、ゴールはできず、前半が終了した。
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FC東京も攻撃を仕掛けるがなかなか追加点が上げられない。70分、FC東京鈴木と阿部の選手交後、ペナルティ・エリア内左でボールを受け取った戸田がゴール正面にボールを送るがガンバ大阪ディフェンスこれをなんとかクリア。74分には徳永のクロスからの馬場のワントラップシュートは松代がブロック。76分には戸田が去り呉が投入され、その直後に均衡が破れた。馬場との壁パスで戻ってきたボールを、ルーカスが豪快な右足の一振りでFC東京へ追加点をもたらした。ガンバ大阪はディフェンスの木場の代わりにフォワードの松波をピッチへ入れ、FC東京はトップのルーカスを中盤のプレーヤー藤山に代える。しかしゴールのチャンスはFC東京へ訪れる。86分、阿部からのパスを藤山がミドルシュート。ディフェンダーにかすったこのシュートはゴールポストにはじかれる。
残り時間が少なくなり、ロングボールに望みをつなぐガンバ大阪。しかし、そのロングボールを後ろから見つめる、大阪から駆けつけたサポーターを喜ばせることができないまま、試合終了のホイッスルが鳴った。
FC東京はヤマザキナビスコカップを含めてここ７試合で５勝２分け、リーグでは４位に浮上して絶好調。今までリーグ、カップ戦でそれぞれ１得点のみだったルーカスの活躍は更に好調にはずみをつけるだろう。ほとんどいいところなく終わってしまったガンバ大阪。次節の重要な大阪ダービーに不安を残す結果となった。
