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2004Ｊリーグ ディビジョン２ 第３節 川崎フロンターレvs.大宮アルディージャ
2004年３月27日（土）14:04キックオフ 等々力陸上競技場 観衆：6,541人 天候：晴
試合結果／川崎フロンターレ０−０大宮アルディージャ（前半０−０、後半１−０）
得点経過／［川崎］マルクス（66分）
取材・文／西森彰
サガン鳥栖、ヴァンフォーレ甲府を相手に２連勝と好スタートを切った川崎フロンターレ。この日は１勝１分の大宮アルディージャと無敗対決に臨む。凍えそうになった先週末とは一転、快晴の下、等々力陸上競技場のピッチに散った両チームの選手たち。川崎は３−４−１−２、大宮は４−４−２とどちらも数年来変わらない陣形で対峙する。
前半はバレーを押し立てたオレンジ軍団・大宮が優位に進めた。28分には川崎の甘い寄せを突破し、川崎GK・吉原慎也と１対１のシーンが生まれる。ここはGKにぶつけたボールをもう一度ゴールマウスへ流し込もうとしたが、懸命に戻った木村誠のクリアにあった。２分後にも金澤慎、バレー、ダニエルの連携プレーで決定機を作った大宮。後から振り返ると、この時間帯にゴールが生まれなかったことが尾を引いた。
ホームの川崎はアウェーチームに主導権を譲り渡す不本意な戦いに追い込まれた。その大きな原因となっていたのがジュニーニョの不調だ。トップ下の彼が大宮のプレスに絡め取られてボールを奪われるシーンが目につく。不甲斐ない自分自身のデキもあったのか、イラついたプレーも多く、41分にはつまらないイエローカードをもらう。後ろの７人と２トップが分断された川崎にとって、前半のスコアレスドローは大歓迎だった。
後半に入って川崎の関塚隆監督は、前の３人のポジションを微妙にいじってきた。トップ下でプレーしていたジュニーニョが最前線に出ることが増えて、代わりにマルクスがポジションを下げる。これが大宮の守備陣に影響を与えたのか、51分、52分と立て続けにチャンスを作る。前半はほとんど活躍の場を見出せなかったアウグストが左サイドで蘇り、大宮に脅威を与え始めた。
劣勢を強いられた大宮の三浦俊也監督は59分、斉藤雅人から氏家英行とリレーして中盤の運動量を補充する。さらにそれだけでは足りないと見たか、65分にダニエルを下げて、久永辰徳を投入。４−４−２から４−５−１へフォーメーションを変更。前線の駒を削ってまでミッドフィールドを厚くし、プレスをかけさせた。しかし、皮肉にもこの直後に川崎に先制点を献上してしまう。
プレスの掛け合いに勝った川崎は、右サイドで木村がジュニーニョに縦パスを入れる。そのままエンドラインまでえぐって、中央へマイナスのパスを戻すジュニーニョ。我那覇和樹を囮に使って、フリーで後方から駆け込んだマルクスが、グラウンダーにあわせてきっちりと決めた。ゴールと同時に、バックスタンド左に陣取ったスカイブルーの集団が歓声を上げながら、大きく揺れ動いた。
高橋泰を入れて再び２トップに戻し、同点を目指した大宮だが、ゴールを奪えず試合終了。結局、マルクスの決勝点を守りきった川崎が大宮を退けた。ゲームスタッツを見るとシュートは10本、コーナーキックは３本と、両チームに全く同じ数字が残っている。試合内容も数字が示すとおり、ほとんど互角。前半は大宮、後半は川崎のゲームだったが、均せばどちらに転んでもおかしくないゲームだった。
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ゲーム中にも選手同士で「オマエはそっちだろ」と言い合いながら、ポジション確認も行なう場面がしばしば。まだ「この交代なら、オレはココだ」という戦術理解は浸透していない。試行錯誤の段階である。ただ毎年のように第３クール以後、手詰まりに追い込まれていた大宮。これらのオプションがオートマチックにこなせるようになれば、昇格争いに最後まで加わってくるかもしれない。
勝った川崎は、悪いなりに前半を凌ぎ、最少得点で凌ぎきっての３連勝。こちらは攻撃が外国人選手だけになった際が不安だ。実際、後半の攻撃はほとんどジュニーニョ、マルクス、アウグストの３人で相手を崩していた。３人の中でしかボールが回らないようになると、相手からも読まれやすい。最低でも、昨年並みのバランスを持ちながらプレーしなければ、終盤になるほど壁にぶち当たるはずだ。
