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2003Ｊリーグ ディビジョン１ ２ndステージ第４節 横浜Ｆマリノスvs.柏レイソル
2003年９月６日（土）19:02キックオフ 横浜国際総合競技場 観衆：16,151人 天候：晴
試合結果／横浜FM１−０柏レイソル（前０−０、後１−０）
得点経過／［横浜FM］柳想鐵（47分）
取材・文／大内孝彦
今一つ、夏らしさに欠けた８月が終わり、暦はもう９月である。J1の２ndステージもこの試合が第４節となる。ここ横浜国際で対戦するのは、第３節を終えて２分１敗と未だに勝利が無いホームチームの横浜FMと、２勝１分と好スタートを切った柏である。
1stステージを見事に制した横浜FMだが、２ndステージは開幕から２試合連続して引分け。そして第３節のFC東京戦には４−１の大敗。この試合は、余りの不甲斐無さに岡田監督自らがサポーターに頭を下げるという一幕もあったとのことである。ともあれ、現在の横浜FMは主力選手に怪我人が続出し、非常に厳しいチーム状態といってよいであろう。
対する柏であるが、１stステージは９位とぱっとしない成績で終了。しかし、２ndステージに入ってからは開幕から２連勝。前節もＧ大阪に先制を許したものの、玉田のゴールで追いつき引分けで終えている。１stステージは負傷人が多くて苦しんだ柏であるが、若手の成長と負傷者の復帰でチーム状態が好転してきているということなのであろう。
さて、この試合であるが、横浜FMは、松田、奥、久保といった日本代表クラスの３人に加えてMF遠藤も不在。さらに波戸も欠場と苦しい状況が続いている。この日、岡田監督は３バックを採用したのだが、正直なところ栗原、中澤、河合というメンバーを見ると不安は隠せないところであろう。対戦相手の柏としては、相手が不調＋ベストメンバーで戦えないこと、それに自身が好調であることを考えると、しっかりと勝ち星を積み重ねておきたいところである。
こうして、柏が優位と思われたこの試合だったが、始まってみるとほとんど互角と言って良い試合が展開されることとなる。そんな中、22分に横浜FMが良い形の攻撃を見せる。右サイドから佐藤由紀彦が上げたクロスにマルキーニョスが叩きつけるヘディングシュート。しかし、これはGKの正面をついてしまう。柏も29分には横浜FMのディフェンスの裏へボールを出し、矢野を走らせるのだが、これは栗原がカバーして食い止める。
44分にも柏が横浜FMのパスミスから逆襲。玉田−ジュシエとつなぎ、ゴール前に迫ったのだが、これはGK榎本が跳び出してセーブ。柏に得点を許さない。結局、前半は両チーム無得点で終了。特に大きな起伏が無い展開であったが、敢えて言うならば横浜FMの選手の試合への気迫が感じられた。
後半開始早々に試合が動くことになる。47分、横浜FMが右サイドの遠い目の位置で得たフリーキック。ドゥトラの入れたボールにゴール前で競った柳想鐵がヘディングシュート。これがGK南の反応も及ばず、ゴール右隅へと決まったのである。横浜FMが先制。さらに51分。横浜FMは清水が深くえぐってマイナスのパスをゴール前に入れるのだが、これはGK南が相手選手より先にキャッチ。横浜FMの追加点を許さない。
この後、１点を追いかける柏が攻勢に出るのだが、横浜FMも守ってカウンターという形で対応。柏にチャンスらしいチャンスを与えない。試合終了間際の88分にはDF渡辺毅に代えてMF加藤を投入するのだが、結局、横浜FMの守備を最後まで崩すことはできなかった。こうして、横浜FMがフリーキックからの１点を見事に守り切って勝利。苦しい状況の中で２ndステージ初勝利を挙げた。
この試合、とにかく目立ったのは横浜FMの選手のボールに対する集中力であった。数えていたわけでは無いので感覚的なものではあるのだが、ルーズボールを拾っていたのはほとんどが横浜FMの選手だったはずである。確かに、この日の横浜FMには派手さは無かったのだが、試合に臨むに当たって何よりも大切なものである「戦う気持ち」を全員が持ち続けていたといえるだろう。
それだけに、その気持ちの部分の差が柏のサポーターに感じられ、試合後のブーイングにつながったのではないのだろうか。
ともあれ、この試合の結果、横浜FMは１勝２分１敗。柏は２勝１分１敗となった。２ndステージはまだ４試合を終えただけであり、まだまだ始まったばかりである。
