開幕戦勝利で結果オーライ！？Ｇ大阪、新布陣で大分を倒す！
2003Ｊリーグ　ディビジョン１　２ndステージ　第１節　ガンバ大阪vs.大分トリニータ

2003年8月17日（日）19:03キックオフ　万博記念競技場　観衆：9,158人　天候：曇後雨後曇
試合結果／ガンバ大阪１−０大分トリニータ（前１−０、後０−０）
得点経過／[Ｇ大阪］二川（16分）


取材・文／貞永晃二

　12位に終わった１stステージのＧ大阪。優勝候補に挙げられていたことがまるで冗談であったかのような散々な成績。西野監督はリスタートのこの日、見慣れないシステムをホーム万博に披露した。それはワントップにマグロンを、そしてトップ下を定位置とする二川を大黒とともにシャドーに位置させるもの。対するは、昇格した初のシーズン、健闘しながらも14位という生き残りラインぎりぎりの大分。お互いにとって確実に勝っておくべき相手といえるだろう。

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　開始まもなく、大分のFKからの攻撃をかわし、繰り出したカウンターからＧ大阪・二川が左足でミドルを放つ。シャドーストライカーとしてシュートで終わる意識を強く感じさせるプレーだった。一方大分も成長著しい高松の確実なポストプレーから吉田はドリブルで突破を仕掛け、西山は鋭いシュートで狙う。

　そして、先制したのはＧ大阪。16分、CKからDFのクリアを拾った木場がクロスを中へ。居残っていた宮本がアウトサイドで落とすと走りこんだ二川が正面から美しいコントロールシュートをサイドネットへ突き刺した。

　大分も反撃に出る。吉田のミドル、寺川のドリブルシュートがＧ大阪ゴールを襲う。しかしGK松代が好プレーで得点を許さない。Ｇ大阪も左サイドを新井場が破りゴール前へプルバックパス。しかし大黒は思い切りが悪くモノにできない。前半終了間際には右サイドへ流れた大黒の折り返しを二川がダイレクトシュート、しかし古巣との対戦に燃えるGK岡中がファインセーブで追加点を許さなかった。

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　後半、小林監督はウィルを投入し吉田を一列下げて使う。前線でのキープ力アップからペースを握った大分は何度もFKのチャンスをつかみ、ウィルに託すがまだコンディション不良のためか特徴である鋭いキックは見られない。吉田も得意のドリブルから高松のヘッドに合わせるがバーを越える。
　
　Ｇ大阪もマグロンと大黒の連係からチャンスをつかむが、サンドロが必死のディフェンスを見せる。大分はさらに新外国人ロブソンを前線に入れ、執拗に同点を狙いに来る。しかし新布陣のＧ大阪ではDFからボランチへと役割を変えた山口の献身的な働きが大分のチャンスの芽をことごとく摘んでしまう。しかし、守備に安定感が出たものの、攻撃では決定力に欠くのが今のＧ大阪。橋本、大黒とビッグチャンスをつかみながらも追加点をあげられず、苦しい戦いが続く。

　ようやく動きに切れが出始めたウィルのFKからロブソンがヘッド、またウィルが直接FKでゴールを狙う。しかしどうしても同点には結びつかない。Ｇ大阪では大黒に代わって入った吉原がカウンターから鋭い動きでチャンスを迎えるがワクをとらえられない。そして86分、西野監督はようやく使えるメドが立ったチキアルセを守りきる目的で投入し、狙い通り試合を終わらせた。

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守備面では合格点をつけられる出来だったＧ大阪だが、大分の攻撃に今ひとつ恐さがなかったともいえるだろう。一方多くのチャンスを決められないアタッカーたちに満足できるはずもない。制空権争いでマグロンがサンドロに完敗だったことも試合を支配できなかった理由の一つだろう。勝利での再スタートという結果をポジティブにとらえ、今後の試合にいかにつなげていけるか、西野監督にとってはこのチームでのラストチャンスとも言えるステージが始まった。

　ところで、Ｊ１サバイバルレースに勝利するだけのために大分の２ndステージはある。勝点を一つでも多く奪うこと、負けを引き分けに、引き分けを勝利へ引き上げるにはチームが一丸になって前進しなければならない。昨シーズン、Ｊ１昇格に邁進した時のあの粘り強さを思い出してもっとがむしゃらにプレーして欲しいものだ。九州からＪ１チームを消滅させてはいけないのだ。