松田監督（福岡）記者会見
2003Ｊリーグ　ディビジョン２　第25節　アビスパ福岡vs.水戸ホーリーホック


試合を振り返って

　１−０というスコアで非常にいい勝ち方だったと思っています。１−０で勝つのは難しいと思うんで、そういうことが出来るようになったという意味では、この前の新潟戦が惜しい、残念な結果だったんですけども、あの辺のことが少しレッスンになったのかなという気がします。もちろん、内容的には前半も本当は点が欲しかったし、後半も、もっと早い時間帯にっていうのはありましたけれど、相手はかなりディフェンシブにやって速攻というのが徹底しているチームですし、０−０も向こうは多分ゲームプランのひとつかなという中で、なんとか90分間の中で点が取れて逃げ切れたっていうのは、ひとつの成果だったと思っています。


１−０というスコアですが、守備が安定してきたことが大きいと思うのですが、その要因はどんなところにあるとお考えですか。

　そうですね、まずは精神的に落ち着いてできるようになったというのがあると思いますね。劇的にどこが変わったということはないと思うんですけど、やはり自信って言うのが大きいし、過去の５〜６試合のところで０失点の試合が何試合も出来てきたことという結果自体が選手の自信になっていく、そういうことだと思うんですよね。やはり前線から守備の意識が高まってきたということもひとつの要因だろうし、今のシステムでどういうふうに守ろうかということも身体にしみこんできたというところと、そういう精神的な面の自信が大きいと思います。


決勝ゴールを決めたベンチーニョですが、あのゴール、ベンチーニョの動きを含めて、ベンチーニョの評価を教えてください。

　今日は、たとえば前半のセットプレーとかも、ちょっと精度的には、もっといいボールを蹴ってもらえればなというところもあったし、いつもよりはミスが目立ったかなという感じで見てたんですけども、往々にして、そういう時に、FKであるとか、ワンチャンスを決めるというタイプの選手でもあると思うんですね。それで、ピッチの上に残しておいたし、ああいう仕事をしてもらうために残したといえば残したわけで、全体としてのパフォーマンスは、そんなに今日は調子が良かったほうじゃなかったと思うんですけど、FWの仕事としては、値千金の仕事をしてくれたと結果的にはいえると思います。


押し切れそうで押し切れなくて、崩せそうで崩せないくて、わりとジリジリした展開だったと思うんですが、その中できっちり最終的には勝点３をとったというのは、やはり経験の積み重ねということになりますか。

　そういうことが言えると思いますね。そういう展開でありながらも、守備をおろそかにしてオーバーアタックとかになってしまうと、相手の思う壺になると思うんで、そういう意味では、チャンスが出来てないわけじゃないので、それを続けると。守備さえしっかりしてれば１点取れば勝てるという感覚があると無いとでは、ゲーム運びだとか、シュートを決めるとこだとかいうところで、落ち着きとかの部分が変わってくると思うんですね。そういう雰囲気というか、そういうものがチームの中に今日あったから、結果的にこういうことになったというふうに思います。


大塚選手と古賀選手の交代のタイミングと狙い、それとそれぞれの評価について教えてください。

　２人に関しては、この前の新潟戦で非常にいい働きをして、実際にリズムを変えてくれたんですね、途中から。今日も後半の頭からという考えもあったんですけども、まだビハインドではなかった、新潟戦と比べると。新潟戦は０−１のビハインドでハーフタイムに入ったんで。ちょっと守備のバランスとか、出てみないとどうなるか分からない部分もあるんで、そういう意味では、ちょっと様子を見たという感じで。まあハーフタイムで代えても良かったんですけども、はい。

　ただ５分くらい経過したときに、もう少しサイドのワイドなところで勢いというか、そういうものが足りないと感じたので、あまりにも時間を使いすぎると、点を取れるチャンスを作っても最終的には逃げ切られたという展開になりかねないと思って、まずは早目に大塚を、それから予定通りではあるんですけれど、時間的にはちょっとずらして古賀をということでした。

　彼らは２人に関しては、やはり攻撃的なところを要求しているし、あとは流れを変えてもらいたい、ちょっと停滞しているところを勢いをつけてもらいたいということで投入しました。相手にも、あの２人はスピードがある選手なんで、精神的にも少し警戒感というものを出させるという意味では、やってくれたんじゃないかと思います。大塚なんかは新潟戦に比べれば目に見える結果というのは出ませんでしたけども、それは相手の守備の人数が新潟と比べて多かったというのが影響していると思うし、期待にはこたえてくれた仕事振りでした。２人とも。

●	前田監督（水戸）記者会見