オゼアスのゴールが勝利を呼ぶ！神戸、G大阪に３連勝！
2003Ｊリーグ　ディビジョン１　１stステージ　第11節　ヴィッセル神戸vs.ガンバ大阪

2003年7月5日（土）19:02キックオフ　神戸ウイングスタジアム　観衆：16,229人　天候：屋内
試合結果／ヴィッセル神戸４−３ガンバ大阪（前１−２、後３−１）
得点経過／［Ｇ大阪］マグロン（9分）、［神戸］シジクレイ（36分）、［Ｇ大阪］大黒（44分）、［神戸］オゼアス（45分）、［神戸］三浦知（48分）、［Ｇ大阪］マグロン（57分）、［神戸］オゼアス（89分）


取材・文／貞永晃二

　好成績を残した昨シーズンのＧ大阪だが、なぜか神戸には相性が悪く連敗。しかも２試合とも３失点を喫している。両チームは中断期をいかに有意義に使えただろうか。ほぼベストメンバーで戦うＧ大阪。対してミッドウィークのカップ戦での退場で土屋を欠く神戸。Ｇ大阪が10位、神戸が11位という現状を脱し、２ndステージへとつなぐためにも重要な一戦となるはずだ。

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　お互い、活発な攻め合いの後、先制したのはＧ大阪。９分、中盤でパスを受けた橋本はワンタッチコントロールで二人のＤＦの間をすり抜けゴールへとドリブルで突き進む。ボックスで左を並走したマグロンへ渡す。マグロンはワントラップで掛川の右を抜いた。ホームチームの失点にスタンドをため息が包む。

　神戸はオゼアスにボールを預けカズ、アリソンが攻撃の構築を図るが、両サイドが効果的に機能せず、シュートはアリソンの遠目からの無理なものが目立つ。一方、Ｇ大阪はプレイメーカー二川を起点にコンビのとれた攻撃でマグロン、大黒、新井場と連続してチャンスをつかむが追加点には至らない。

　そして迎えた36分、中盤からのロビングをアリソンがヘッドで折り返す。一旦はＧ大阪ＤＦがはね返すが、攻めあがったシジクレイが絵に描いたような右足ボレーでネットを揺らした。パワフルな一発で屋根を閉じたウイングスタジアムに歓声がこだまする。同点としリズムをつかんだ神戸は、岡野のスピードを活かせる展開が可能になった。しかし、インジュアリータイムにＤＦ間のパスをカット、大黒が突進し鮮やかなミドルを神戸ゴールに叩きこんだ。前半はホームチームの１点ビハインドで終わった。

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　前半終了直前という理想的な時間帯に得点したＧ大阪だが、逆に最も集中が必要とされる後半開始直後、神戸に同点とされてしまう。左サイドのルーズボール、左SB松尾がうまくＤＦ山口智と入れ違って前進し、ＧＫ松代が届かないファーポストへ正確なクロス。回りこんだオゼアスが丁寧にプッシュし歓喜の宙返りだ。

　さらにかさにかかって攻めこむ神戸。アリソンが決定的なチャンスを逃したあとの48分、右サイドで二人をかわした岡野がクロスを入れると、DFのクリアボールが「キング」の目の前にこぼれた。カピトン・カズの右足が浮きダマを正確にとらえ松代の手をはじいて決まった。神戸がついに逆転に成功した。

　しかし、試合はこのままでは終わらない。西野監督が中山投入を決めた57分、ボックスの中に抜け出した二川がシュート。掛川が防ぐが左にこぼれ、小柄なナンバー10は再度拾って中へ。マグロンが勇気あふれるダイビングヘッドで決めた。３−３、試合はますます混沌を極める。

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　Ｇ大阪は森岡から中山へ、神戸もカズから播戸へと手持ちの札を切る。まだ時間は30分近く残っている。最後に笑うのはどちらか。神戸は播戸、オゼアス、岡野と次々とチャンスを逃すが、山口貴に代わった三浦泰がベテランの味でチャンスをつくる。さらなる交替で神戸は岡野から小島へと同じポジションの交替、Ｇ大阪は疲れた二川を實好に代え遠藤を前目に出し、大黒から松波へと最後のカードを切った。

　86分、オフサイドトラップを破った播戸のクロスから小島のシュートは古巣ゴールのクロスバーを叩く。移籍早々にヒーローとなるチャンスはものにできなかった。しかし、４分あったインジュアリータイム、ボックスそばでキープしたアリソンのスルーパスを宮本、木場ともにクリアできずにこぼれ、疲労の色の濃かったオゼアスがあらん限りのストロングショット。試合の決着をつけるサヨナラゴールだ。

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　激しい打ち合いのゲームは二転三転し、Ｇ大阪にとっては大変ショッキングな幕切れとなった。３点を奪った攻撃陣が、４点を失った守備陣に対して不信感をもたないかが気がかりである。とにかく気持ちの切り替えが急務だろう。

この日の勝利で、オゼアスの得点試合は５戦全勝となった。神戸に新たなジンクスが生まれたのかもしれない。中断期間に代表に選手を取られず強化できたメリットがチームの進化につながっているようだ。また小島の加入でFWのポジション争いも厳しくなっている。鹿島、横浜FMとの対戦を残す神戸。優勝戦線をかき回したいところだ。