昨年につづく世界３位！メンバーを落としてもトルコ、実力を証明！
FIFAコンフェデレーションズカップ フランス2003３位決定戦　トルコ代表vs.コロンビア代表

2003年6月28日（土）18:00キックオフ　サンテティエンヌ（スタッド・ジョフロワ・ギシャール）　観衆：18,237人　
試合結果／トルコ代表２−１（前１−０、後１−１）コロンビア代表
得点経過／［トルコ］トゥンジャイ（２分）、［コロンビア］エルナンデス（63分）、［トルコ］オカン・ユルマズ（86分）


文／貞永晃二

　今大会５試合目である３位決定戦を迎えた両チーム。トルコは10日間、コロンビアは11日間という短いタームでのハードすぎる日程を戦い抜いた。準決勝で地元フランスに敗れたトルコは、長いシーズンの終わりということもあり、無理をさせず出場試合の少ない選手を起用し、順位よりも経験を積ませることを選んだようだ。一方のコロンビアはカメルーンとの準決勝とほぼ同じメンバーで戦う。

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　試合は意外な展開で幕を開けた。コロンビアGKＯ・コルドバが彼らしからぬミスでトルコにチャンスをプレゼントしてしまう。右サイドのマルティネスからのバックパスをキックミスしたのだ。それを受けたトルコFWがコントロールミスし、ピンチを免れようとロペスがGKへヘッドで戻そうとするがこれもヘッドミスとなり、好調トゥンジャイが逃さず拾い左足でゲットした。開始わずか２分での先制だ。

　コロンビアのチャンスは15分。アリスティサバルのスルーパスがベセーラに通るがGKオメルが飛び出し止める。トルコもトゥンジャイが右足アウトにかけたパスでチャンスを作るが、今度はＯ・コルドバが大きくクリアする。

　トルコはコロンビアのCB、Ｉ・コルドバ、ジェペスの高さへの強さをよく研究している。FKも決してハイボールを用いず、早いリスタートでつなぎ、クロスも低いボールで攻める。そしてそれを一試合を通して続ける。メンバーを大幅に変えたトルコだが、勝利への欲求にはいささかのかげりもない。リードしてからは明らかに厚い守備からのカウンター狙いでチームの意思は統一されている。

　コロンビアもナンバー10、エルナンデスを中心としたショートパスをこまめにつなぐいつものスタイルを貫くが、シュートまで至らぬことが多く、シュートで終われても、GKの好守に阻まれる。トルコの人数をかけた守備に攻めあぐんだ前半だった。

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　後半、同点を急ぐコロンビアは前半の終盤交替で入っていたアリアガが効果的な働きをみせ、攻撃を活性化する。早々にアリスティサバルがオーバーヘッドで狙い、さらにはアリアガの鋭い突破からどうぞ決めてくださいというようなグラウンダーパスが入るが、アリスティサバルのシュートは惜しくもポストを叩き同点機を失う。
　しかし、なおも攻めるコロンビアは63分に同点とする。エルナンデス、アリスティサバルそしてパティーニョがこれでもかとショートパスをつなぎフィニッシュはエルナンデスがネットをゆらした。

　直後トルコは準決勝で同点とすべきPKを失敗したオカン・ユルマズを投入する。しかし試合はコロンビアが支配する。再三アリスティサバルにチャンスが来るが決めきれない。一方のトルコはカウンターに勝負をかけるしかないようだ。コロンビアのパティーニョの好シュートがGK正面をつく。そして、いよいよ延長戦かと思われた86分に決勝点が決まる。左サイドをトゥンジャイが破り、中のオカン・ユルマズへ。氷のようなクールさでオカンはコントロールシュートを右スミへ送った。彼の大会３点目だった。



　韓日ワールドカップでの３位という実績を自信に結びつけたトルコは、名前ほどではなかったとはいえブラジルを圧倒し、地元フランスを追い込む強さを見せてくれた。今季好調だったニハトらを欠きながらも大会を席巻した若いトゥンジャイ、オカン・ユルマズらの活躍は、カメルーン・フォエの死という悲しみに包まれた大会で一服の清涼剤的な役割を担ったといえる。ヨーロッパ中のトップリーグで活躍が目覚しいトルコの選手たちに加えて、国内にもたくさんの個性的な選手が育っていることを知ることができた今大会であった。これでユーロ2004がますます楽しみになったといえるだろう。