湘南ベルマーレ　サポーター通信　〜あなどれない？湘南ベルマーレ 　レポート／飯竹友彦

　先日、『なでしこジャパン』を率いた上田監督のＪＦＡとの契約終了後に湘南ベルマーレの監督に就任する内容が新聞各紙に載った。クラブからの正式発表は遅れて７日にメールマガジンやクラブ公式ＨＰで行われた。これにより現在監督代行の望月氏はコーチになることが告げられていた。上田監督は13日から就任、監督としての初指揮は18日の川崎Ｆ戦からとなる。

　さて、望月監督代行が指揮する最後の試合となる次節の展望は。今期１年でＪ１復活を目指す京都は低迷するチームに活を入れるために柱谷を新監督に起用、山形旋風を巻き起こした名称は古豪をすぐに昇格争いのできるチームへ変貌させた。柱谷色が徐々に出てきた京都は両サイドから効果的に攻めるスタイルが確立。特に、左サイドに起用された美尾はこれまで公式戦での出場経験の少なさを感じさせないプレーを披露している。奇しくも美尾は、左足の技術力を生かしベルマーレユースで活躍していたが、トップ昇格はならなかった。その美尾が古巣（と呼ぶには気が引けるが）相手にどのようなパフォーマンスを見せるのかに期待する。

　対する湘南ベルマーレは、ここ数試合良い試合はするのだけれどもフィニッシュが粗く得点に繋がらないシーンが目に付く。前節横浜ＦＣ戦でもその傾向は顕著だった。特に現在トップ下を固める佐野と鈴木（良）のコンビはキレを増している。小学生時代からの顔見知りで、中学では同じチームでコンビを組んだ大の仲良し。常に相手のポジションを確認して、お互いがパスの出し手にもなり、受け手にもなる素晴らしい連携を魅せる。『阿』『吽』の呼吸とはこのこと言うのだろう。

　更に、右サイドからは、このコンビに韓国で高校ＭＶＰの称号を掴んだキムが、その実力を申し分なく披露して絡む。左には疲れ知らずの高田（保）が、守備に攻撃にと上下運動を繰り返しチームを活性化させる。

　現在の湘南ベルマーレは両サイドからキムと高田（保）がアクセントを付け、中央では佐野と鈴木（良）がゴール前の危険なエリアを狙う。中盤の構成力は格段に熟成を増してきたが、最後のフィニッシュに戸惑いを感じる。守備に目を移すと、水戸戦からＤＦの要であるパラシオスが復活しチーム全体の守備への安心感が増した。脇を固める白井、城定も最後尾にパラシオスが控えていると思うだけで、相手ＦＷに対してアグレッシブに当たりに行くことができる。これは、パラシオス１人のディフェンス力と言うよりも、チームメイトが彼への尊敬とか信頼感とかがそうさせているのだとゲームを見ていても感じ取れる。

　次節、京都戦での注目は安定感を増した湘南ＤＦ陣とＪ２最強の２トップと言われるチェ＆黒部との対決。サイドで行われる美尾とキムの攻防、佐野、鈴木（良）コンビ対４バックの京都ＤＦ陣。各所で熾烈な争いが見られるだろう。今の湘南ベルマーレを下位に沈むチームと侮る無かれ。