サガン鳥栖　サポーター通信　〜苦しいのは我々だけではない 　レポート／浜崎薫

　苦しい試合が続く。８月14日(土)に行われた第28節の対コンサドーレ札幌戦、サガン鳥栖は０−１で敗れた。

守備陣が踏ん張っても、前線でボールをキープができる選手がいないため、攻撃の形を作る前にボールを相手に奪われてしまう。ボールをもらいにいく動きや約束事も前線においてもっと徹底されなければならないが、どこか弱気が垣間見える選手たちはパスミスを繰り返し、時にはバックパスに逃げようとする。今回はそのバックパスが命取りになった。サガンの村主博正から加藤秀典にもどされたボールが札幌の堀井に奪われ、清野に決勝点を決められてしまった。

ピッチ以外のところでも問題が起こり、決して本調子とは言えない現在の札幌。（ただ、選手たちのモチベーションに水を差すような言動を慎まなければならないのは、サガン鳥栖の場合も同じである。）だが、それでも札幌はそのプレッシャーに耐えながら、勝利を手にした。苦しいのは鳥栖だけではない。泥臭い形でもいい。前半戦の調子を取り戻すためにも、まずは連敗を止めてもらいたい。

また、言うまでもなく、今の我々も忍耐が必要だろう。繰り返す必要もないかもしれないが、あえて今季最初の「サポーター通信」から、次の一節を再度ここに引用しておきたい。

「壊すのは簡単だが、築き上げるのは難しい。実績のある松本監督の手腕をしても、チーム状態を１年足らずで完全に修復するのは容易なことではない。鳥栖を支援する我々は、性急に結果を求めるだけではなく、長い目でチームの成長とその方向を見定めていかなければならない。また、具体的にチームを支える活動についてもこれまで以上に検討・実践しなければならないだろう。」

　この日、佐藤陽彦選手のＪ２リーグ通算200試合出場達成を称えるため、サポーターが「27」（佐藤陽選手の背番号）が書かれたたくさんの応援紙を準備し、ゴール裏のスタンドを飾っていた。また、サポーター新聞「海賊版」を発行しているサポーターの有志も、サガン鳥栖のロゴと「全力に悔いなし」の文字が書かれた特製のうちわを準備し、青色の服を着て鳥栖スタジアムに来場した人々に配布していた。

さらに、スポンサーのプリンセステンコー氏によってサガン鳥栖の新しい応援歌CD「CHALLENGER」（PRINCESS TENKO＊伸太郎）が作られ、この歌が試合の前後とハーフタイム時に鳥栖スタジアムで繰り返し流されていた。（なお、このCDは鳥栖スタジアム限定発売とのことである。）

　選手たちに伝えたい。鳥栖サポーターは、今季躍進した「松本サガン」とその選手たちの力を信じている。これからも苦しい闘いは続くだろうが、「プロ」という名に恥じないプレーとスピリッツで何としても勝利を奪い取り、鳥栖スタジアムに足を運ぶ観客の期待、そしてサポーターの心意気に応えてほしい。