湘南ベルマーレ　サポーター通信　〜まず１勝 　レポート／飯竹友彦

　鳥栖戦終了後の監督会見で、「まず一つ、ホームで勝てたことはすごく良かったと思います」と、湘南ベルマーレの望月監督代行は開口一番そう答えた。

　確かに改心の勝利だった。立ち上がりの流れはどっちつかずの展開だったが、前半26分、ペナルティエリア左手前で与えたれたＦＫをキム・グンチョルが蹴り、ポストに跳ね返ったところを詰めていた佐野がシュートし先制点を得る。同前半35分には、またもキムがゴールからやや遠い右サイドの位置からゴール前に蹴りこみ、これにフリーで柿本がヘッドで合わせ追加点を奪う。

　この日のベルマーレは前線の高い位置でボールキープし、佐野、キム、坂本らがＦＷと上手く絡み好機を作り出した。監督が試合後に語ったように、「中盤でちょっと時間を作ること」が実践できていた。開幕前、誰が観てもコンディション不足に感じた佐野。もう過去の選手かとも思われていたが、リーグが後半に入る頃には、フィジカルが追いつきようやくその高い技術を生かすプレーが披露できているように感じる。本人もようやく心と体が同調してきたと感じているだろう。事実、この日のキムと佐野はベルマーレの中盤で、小さなタメを作り相手ＤＦを混乱に陥れた。

　この日はＤＦの中央にも嬉しい顔が復帰していた。丸めた頭とひげがトレードマークの白井だ。そのクレーバーな守備からチームの危機を防ぐ頼もしい男。その男が帰ってきたことで、これまで怪我人の多いＤＦに少なからず安定をもたらしていた。しかし、残念なことにこの日２枚目のイエローカードを貰い退場。なんとか無失点で逃げ切ったものの、次節、川崎Ｆとの対戦を考えると頂けない結果である。

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　後半戦１試合目をアウェイの甲府で落としていたベルマーレは、ホームで何とか白星を得て波に乗りたいと思っていただろう。そして、結果３−０での快勝とまずまずの最スタートを切れた。その安心感から、冒頭の望月監督代行の言葉に表れている。次節はＪ２をぶっちぎりの首位で走る川崎Ｆ。もしベルマーレが付け入る隙があるとすれば、川崎ＦはＤＦの要の伊藤、寺田が怪我で離脱し、今節では佐原が退場しＤＦの枚数が足らないこと。代わりに起用される可能性があるのは、渡辺と相馬。高さのあるＤＦが居なくなり、急増のＤＦラインであることがあげられる。前線で高さのある柿本が制空権を得て、急増ＤＦの連携不足を、佐野、キム、高田らがかき回せればチャンスは見えてくる。

　首位、川崎Ｆから勝利を奪うことになれば、湘南の波は夏本番の台風のごとく大きなものへと代わっていく・・・かな？