湘南ベルマーレ　サポーター通信　〜見たことのない泥沼 　レポート／飯竹友彦

羽をもがれた鳥のようだ・・・
　６月１９日、対水戸戦から採用された４バックだが結果に結びつかずチームは４連敗とまさに泥沼にはまって身動きが取れない。羽をもがれ、飛びたくても飛べない鳥のようである。

　今期、湘南ベルマーレは20節が終了した時点で僅かに２勝。スタジアムでは「監督解任」などの声も聞こえてきてくる。確かに山田監督が開幕当初予想していたものと、現実はかなりかけ離れている。開幕前は「トップ４」などと発言していたことからも相当な気合いと自信があったのは伺える。しかし、開幕から３バックの一角にルーキーの村山を使わざるを得ない状況でスタートし、勝利を掴めないうちにズルズルと順位は後退し怪我人は増えるばかり。明らかに昨年よりもチーム状況、また、雰囲気が悪いのがうかがい知れる。そして、低迷する成績でありながらＤＦ陣が総崩れし離脱したことにより急遽組まれた４バックで試合を重ねるが、勝ちにはほど遠い。

先日、大神練習場で明治大学と練習試合を行った。その時のメンバーは次のとおり。

◆７月１日（木) （３０分×３本）
　vs明治大学　＠大神

◆結果
１本目　湘南ベルマーレ　０−０　明治大学
２本目　湘南ベルマーレ　０−１　明治大学
３本目　湘南ベルマーレ　０−０　明治大学

◇湘南ベルマーレ（１本目）			◇湘南ベルマーレ（２本目）			◇湘南ベルマーレ（３本目）
GK	鈴木正		GK	鈴木正		GK	植村
DF	石田　青柳　照井　永里		DF	石田　青柳　照井　永里		DF	石田　青柳　照井　永里
MF	石原　吉井　中町　坂本		MF	石原　鈴木良　吉井　中町		MF	石原　鈴木良　吉井　中町
FW	柿本　原		FW	戸田　原		FW	柿本　原

　前回同様に、ＤＦの再度にＦＷ登録の永里や石田が起用されている。そのことからも判るように、次節公式戦へのスタメンやこれからのベルマーレを知るのにも完全にこの試合は参考にもならない。本気で彼等をサイドバックとして起用するつもりがあるのか？そして、選手の資質を見込んで、または彼等の将来を見据えての起用なのか？監督にきちんとした説明を願いたい。もし、そうでないならば何故このようなメンバーしか組めない時期にあえてスケジュールを組み込んだのだろうか。疑問は多い。

　そして、これは監督だけにかかわらずクラブ全体の意識の欠如としか思えない。毎年のように出る負傷選手。そしてリハビリから復帰できない状況と、復帰させてまた怪我などをしてしまう状況。また、怪我ならば何故開幕前からそのポジションへの補強がされないのか。シーズン中でもレンタル移籍などの方法があるのに何故しないのか。サポーターならずとも皆疑問に感じている。

　野球界では近鉄バッファローズの合併や、サッカー界でもサガン鳥栖の経営危機などが取り上げられているが対岸の火事とばかりは言っていられない現状がすぐそこにあることを感じて欲しい。でないと、コアな4000人ほどの観客もいずれ愛想をつかしスタジアムから離れていくだろう。そして、経営の基盤を失えばチームは弱体化し消滅の可能性もある。そこまで考えて欲しい。

　しかし、現状ではクラブのフロントは監督の交代も考えていないようだ。ならば、少しでもいいプレーに可能性を感じさせてほしい。点を取れる雰囲気。失点を防ごうとする気合い。ボールを奪ってやろうとする気迫。そして勝つためのゲームビジョンと緻密なプラン。スタンドに届いて欲しい。

　次節は今期２勝しているうちの１チームで、割と相性の良い大宮アルディージャ戦である。ＤＦは相変わらず枚数が足りないので、またも４バックで、サイドには攻撃的な選手が起用されるであろう。それでも、入念に計画を立てて緻密なサッカーをしてくれることを祈る。７人で守っても良い。それがビジョンなら。