セレッソ大阪　サポーター通信　〜真のコミュニケーションとは−バックスタンドからの声 　レポート／ぼへみあん

セレッソ大阪　１−５　柏レイソル

　１ｓｔステージを象徴した試合であった。10試合目の先取点、しかし追加点が取れず、先取点を取った試合の成績は１勝4分5敗となった。昨年の1stステージは先取点を取った試合が4試合しかなかったが4勝。総失点は30と昨年の29を上回ったのに対し、得点は29点から17点へと激減した。守備の強化を唄いながら強化されず、むしろ攻撃力を失ったに過ぎなかった。戦力面は、守備陣を総入れ替えし、攻撃陣はバロンを移籍させた。その多くはクロアチア人で埋められたのだ。これほど大きな失敗をしながら、動きを見せなかったフロントそして不可解な選手起用をした結果を出せない監督に多くのサポーターの不満がたまっていた。

　その日の長居スタジアムは異様だった。監督紹介のとき、バックスタンドに掲げられた多数の赤い画用紙。試合終了後の監督挨拶時にバックスタンドから起きたブーイング。そしてセレモニーの中止。セレッソ大阪に対する不満は、ゴール裏ではなく、バックスタンド主導だった。

　ゴール裏のサポーター（正確に言うと、北側ゴール裏の立って応援する帯の中のサポーター)は、この試合を迎えるに当たって「コミュニケーション」をキーワードに掲げた。しかし、「コミュニケーション」が単なるお題目に過ぎないことに多くの一般のサポーターが気づいた。サポーターとチームのコミュニケーションは基本的にスタジアムでされるべきである。選手たちはゲームで自らのパフォーマンスを示し、サポーターは応援する。それがコミュニケーションなのだ。フロントは、それがうまくいっていないときに何が原因なのか検討し、対処する。それは監督の交代、出場選手の選択などである。そして勝利を得ることである。

　ゴール裏のサポーターは全サポーターの気持を代弁していると思っていた。少なくともその気持で行動していると思っていた。彼らが主催する会に出席し、それが幻想だということが証明された。彼らの考えているコミュニケーションは不完全なものあったのだ。

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　以前、他チームのサポーターからセレッソはクラブとサポーターのコミュニケーションが出来ていてうらやましいといわれたことがある。しかし、実際は、特定のサポーターとクラブとのコミュニケーションである。観客の大多数を占める一般のサポーターは、コミュニケーションの輪からはずれてしまっているのである。今回のブーイングなどについても決して不測の事態ではない。オフィシャルの掲示板などで告知されていた。チームはその声を甘く見たのである。そして、こういう事態になってもクラブはスタジアムの大半を占める一般のサポーターの不満を理解できないようである。

　サポーターの怒りが最大になったのは、選手の場内一周をせず、ゴール裏に対してだけ挨拶をしたときだった。サポーターの怒りが届いていないのである。このとき、バックスタンドに選手が行けば、拍手に包まれただろう。今日の試合結果に怒りを持っているのではない。サポーターの声が選手に届いていないのか。選手はサポーターとのコミュニケーションを否定したのか。彼らにとってサポーターは北側ゴール裏スタンドだけなのか。

　その夜、梅田のホテルで選手とサポーターの交流会があった。1万5千円の参加費が必要だった。そんな交流会に、社長も強化部長もそして監督以下スタッフは来なかった。今後の対策の会議があったらしいが、まさしくサポーター不在である。もっとも、選手とサポーターだけだけのほうが平和で楽しい交流会にはなるだろうが。ジルマール氏とノ・ジュンユ氏の参加もあり、全選手が各テーブルを周り、本当に近い距離で選手と接することが出来た。微力ながら、選手会長である布部選手ら他に、バックスタンドのサポーターの気持も伝えさせていただいた。

　楽しい会ではあったし、プレゼントも頂き思い出深いものではあった。しかし、一つだけ気になったことを書かせていただく。一通りテーブルを回った後、若手がいすに座って集まっていたことだ。この日のゲストはサポーターである。森島や西澤がトークショーをしていたときでも布部や久藤などのベテランは立ってサポーターと話をしていた。サポーターと選手がじかに交流する数少ない場である。それゆえ、若手のそういう姿は見たくなかった。

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　フロント、監督・コーチ、選手、サポーター間の真のコミュニケーションとはどんなことかを考えてほしい。それが理解できるまで安易にコミュニケーションという言葉は使わないでほしい。

　現時点（7月1日）で、監督の去就、そしてファン感謝デーで約束されてサポーター・ミーティングの予定はサポーターに知らされていない。次の試合までわずか17日である。