セレッソ大阪　サポーター通信　〜無駄な動きで、三次元の攻撃を。 　レポート／ぼへみあん

　鹿島のプレーヤー、サポーターにとって長居には魔物が住んでいると思えるだろう。なにしろ、99年以来、リーグ戦、天皇杯の合せて7試合連続勝てないのだから（セレッソの5勝2分）。森島の抜け出しに、金子はレッドカードを食らい、新井場はＰＫを与えてしまった。

　今年のシーズンは、まだ完封負けというのがない。すべての試合で得点を取っている。しかし、去年のような爆発的な得点力がない。セレッソの攻撃は綺麗すぎるのである。ディフェンダーのオーバーラップや、ゴール付近でのつぶれなどがないのである。優勝を争った2000年のシーズンは、右のノ・ジュンユ、左の西谷正也が果敢にサイドを駆け上がり、その結果中にいる森島や西澤がお互いつぶれあい、ユン・ジョンファンが正確なパスを出すという理想的な形であった。センターとサイドの攻撃のバランスがよく、ディフェンスが対応しにくい形をとっていた。しかし、今の森島、西澤、大久保、苔口、濱田はきれい過ぎるのである。個人技術には優れ、ダイレクトパスもつながるものの、そのコースが読みやすいのである。ゴール裏から見ているとそれがよくわかるのである。それゆえ、さいごのところで、数的に不利となり、シュートが打てないのである。

　やはり、このチームには久藤が必要である。走らないという批判が常についているものの、久藤はこの無駄な動きができている。無駄とはいうが、10回のうち数回はボールが出てくるから、必ずしも無駄と言うのは適切ではないのかもしれないが。この無駄な動きによって、現在の点と線の一次元の攻撃を、三次元の攻撃に変える事ができる。そのとき、セレッソの攻撃的サッカーの輝きが復活するだろう。