湘南ベルマーレ　サポーター通信　〜望むものは「きっかけ」 　レポート／飯竹友彦

　山田松市監督体制になり、モンテディオ山形、サンフレッチェ広島、大宮アルディージャ、アルビレックス新潟。いずれも今期上位に名を列ねる強豪チームを相手に、２勝２分と上々の結果を出している湘南ベルマーレ。
　まだまだひと試合通じて安定した力を発揮してはいないものの、チャカ、池田、白井の高い守備力をベースにして失点を押さえ、少ないチャンスを得点につなげるサッカーがチームに浸透しはじめている。
　左右に張る両翼は時には最終ラインまで下がっての守備をいとまわず、中盤の底ではスタメンの座を掴んだ中里が見事にスペースを埋めて、守備への切替の基点を作る。前線ではFWが中盤まで下がってボールを追いかけプレッシャーをかける。
１１人全員が、「まず守備を第一に」と考えている。

　山田監督が就任して13試合を戦い、現在までの失点は12。1試合平均とするとと1点以下となる。しかし、得点は13試合で11得点。こちらも1試合1点以下。これでは勝点3を獲得するのは難しい。
　とくにFWの選手の得点が期待される中、現在先発の柿本が１得点（PK）、高田が無得点と絶不調。新戦力の獲得も期待されるが、監督は「現有戦力で戦える」と自信を覗かせる。
先日の記者会見でも無得点の高田選手についての質問が出た。山田監督の答えは淡々と彼の守備への貢献度の高さを説明し、最後にこう言った。
「たまたま不運が重なっているだけです」
「あとは、そのきっかけだけです」と。

　きっかけが訪れるまでジッと耐え、首位を行くアルビレックス新潟との試合をドローに持ち込んだ。イレブンは「悔しい」と感じたか「しめた」と思ったか。
次の試合で、その真価が問われる。