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2005Ｊリーグ ディビジョン１ 第18節 ガンバ大阪vs.セレッソ大阪
2005年7月17日（日）19:01キックオフ 万博記念競技場 観衆：22,232人 天候：晴
試合結果／ガンバ大阪４−１セレッソ大阪（前１−１、後３−０）
得点経過／［Ｃ大阪］鶴見智美（９分）、［Ｇ大阪］アラウージョ（43分、63分)、橋本英郎（70分）、遠藤保仁（83分）
取材・文／貞永晃二
前節（３−３清水）で連勝は６でストップしたものの、リーグＮｏ.1の破壊的攻撃力（総得点43、１試合平均２．５点）で首位鹿島を勝ち点差４で追撃するＧ大阪。ＨＯＴ６ここまでの５試合だけを見ても４勝１分、17得点というまさに手のつけられない状態だ。大黒が厳重にマークされてもアラウージョ（７点）、フェルナンジーニョ（３点）がその穴を埋める。さらに前線の選手が抑えこまれた苦しい試合も山口、宮本らがセットプレーからゴールを決める勝負強さも見せる。前節、大黒が左足ふくらはぎを負傷したこと以外に問題点は見当たらず、シジクレイの離脱も忘れてしまうほどだ。
一方開幕時に遡れば江添、前田という二人の新人、ここへ来て柳本とDF陣に負傷者続出のＣ大阪。さらに今節山崎、ファビーニョが出場停止、ゼ・カルロスも負傷、古橋の復帰も間に合わずという惨憺たるチーム状況。本来ボランチの下村をDFとして起用するだけではもはやDF、MFともに穴を埋め切れない状態。メンバーを固定して戦い続けてきたツケが一気に来たようだ。
ここまでダービー４連勝とＣ大阪に対し自信を持つＧ大阪。好調を維持し相手のメンバーも枚数が不足しているとなれば、Ｇ大阪の有利は否めない。
まずは小林監督苦肉の選手起用を整理すると、DFは本来ボランチの下村と鶴見（清水から移籍）を左右のストッパーに、右アウトサイドでチャンスメーカーとして働く久藤を布部と並べてボランチに、久藤、ゼ・カルロスの代役に廣山と苔口を左右に配置した。一方Ｇ大阪はなんとかメンバー入りした大黒は温存し吉原を前線に置いた。
まずはＧ大阪が攻勢に出る。遠藤がFKを直接狙い、さらに右サイドを破った吉原のクロスをフェルナンジーニョが慎重にインサイドキックでシュートするが浮かせてしまう。ところが9分、劣勢だったＣ大阪は久藤の左CKを移籍後初スタメンの鶴見がヘッドで見事に決め先制する。2万2千観衆で埋まった万博が一瞬ため息に包まれ、アウェーゴール裏スタンドの半分のスペースにギッシリ押し込まれたピンクのサポーターが狂喜する。長身の鶴見だがさほど高く飛んだわけでもなく、Ｇ大阪の守備はやや集中を欠いてしまったようだ。
先制したＣ大阪はさらにトリッキーな黒部のFKからブルーノが抜け出しGK松代と交錯しながらもシュート。右ポスト内側を叩いたボールは松代の胸にすっぽり戻ってくる。運はＧ大阪にあった。
前節の清水戦同様思わぬリードを奪われたＧ大阪は20分を過ぎて猛攻を仕掛ける。左右から入るクロスは、高さでは勝るＣ大阪にはね返されたが二川、アラウージョのシュートが脅威を与える。押し込まれるＣ大阪はブルーノが幾度か読みのいいインターセプトに成功し高い位置で奪う意識を見せるが、再び押し込まれラインを下げざるを得なくなる。そして36分、二川の負傷で家長を入れたＧ大阪は攻勢を一層強めていく。
必死に耐えるＣ大阪だったがついに43分、左サイドでキープしたアラウージョが突破を図りＣ大阪DF３人を翻弄し、前回の長居での対戦同様角度のないところからスーパーなシュートを決めた。前半終了まであと数分、Ｃ大阪には痛すぎる同点ゴールとなった。
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そして63分、選手交代準備で生まれたＣ大阪のスキを抜け目なく突いたのは巧者遠藤。FKがフリーで動き出したアラウージョにピタリと渡り逆転ゴール。もはやＧ大阪の勢いを止めることは出来ない様相となる。畳み掛けるように70分、大黒の飛び出しからアラウージョ、橋本とつなぎ汗かき男・橋本が今季初ゴールを左足で沈め３−１とする。Ｃ大阪はがっくり下を向く選手が目立つ。
焦るＣ大阪の攻めをいなしながら時間を使うＧ大阪。突破にキープにとベテランのようなプレーを見せる家長が象徴するように、Ｇ大阪ははっきりと力の差を見せつける。83分にはゴールに向かって蹴られた遠藤のFKに大黒が合わせようとするが届かない、しかしGK吉田は反応できずそのままゴールイン、４−１という大差となる。勝敗は別として得点を奪いたいＣ大阪だったが投入した徳重、米山もさほど機能できずこのままタイムアップ、Ｇ大阪にほぼ試合を支配され、攻撃陣が精彩を欠いたＣ大阪はこの日のＧ大阪の相手ではなかった。
現在の順位、チーム状況から見ればまずは順当な試合結果だが、ダービーのもつ重要性、ナビスコでの対戦予定を考えるとＧ大阪は大きな自信をつかみ、Ｃ大阪には大きなダメージが残された。
Ｃ大阪に対する疑問点を挙げておく。この日のサブメンバーだ。この大切な試合に藤本、山城とは・・・。昨季のレギュラーDF・千葉、アクセントをつけられるドリブラー・酒本、センスある好パサー・濱田。彼らは戦力外なのだろうか。あれほど守備が崩壊したチームをここまで戦えるチームに変えた小林監督はチーム「中興の祖」と称えたい。しかし彼らを使いこなせないのではチーム全体を掌握できているとはとてもいえないのではないか。
さあ２週間後両チームがナビスコカップで再び会いまみえる場所はＣ大阪のホーム長居。代表組を欠くＧ大阪に対し、負傷者、出場停止者の復帰が見込めるＣ大阪。Ｃ大阪には言い訳が許されない対戦となる。
