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2005Ｊリーグ ディビジョン１ 第9節 ガンバ大阪vs.ヴィッセル神戸
2005年5月1日（日）14:02キックオフ 万博記念競技場 観衆：14,625人 天候：雨
試合結果／ガンバ大阪３−１ヴィッセル神戸（前１−０、後２−１）
得点経過／［Ｇ大阪］遠藤（12分）、大黒（49分、74分）、［神戸］松尾（87分）
取材・文／貞永晃二
連敗に苦しむ神戸は松永英機監督を解任し、かつて清水、東京Vを率いた経験のあるエメルソン・レオン新監督を招聘し出直しを図りたい神戸。一方、前節の千葉戦に完敗を喫したG大阪も、気分を変えて目指すサッカーですっきりとした勝利をあげて上位進出を狙いたいところだ。
開始から両チームともに攻撃のきっかけがつかめず、ボールが右へ左へと行きかうような展開となる。こういう状況の場合、えてして強引過ぎるプレーから局面が開けることがあるもの。中央からこじあけるように突進した大黒のドリブルに神戸DFは混乱した。12分大黒は二人、三人とDFを切り返しで交わしゴール正面へ。左足でシュートのタイミングで、右を並走しペナルティエリアでフリーとなった遠藤へポンと渡した。冷静にGK掛川のポジションを見定めて放ったシュートは左スミに決まった。
先制された神戸だが下を向くことなく同点を目指し反撃に移る。右CKが抜けてきたところを北本がシュートし、三浦淳の遠めからのFKとチャンスは来るが得点は遠い。最大限の注意を払うべき大黒に神戸・北本がファウルすれすれのアタックを仕掛けて味方のファイトを鼓舞する。それでも大黒は持ち味の早い動き出しからパスを引き出してシュートに持ち込む。
33分には右サイドの橋本から中央フェルナンジーニョへグラウンダーのパスが通り、そのシュートのリバウンドを大黒が叩くが右にはずれる。それにしても今の大黒には全く「迷い」が感じられない。プレーのファーストチョイスが「シュート」ということで終始一貫しているのだ。
神戸の反撃意欲は中盤でのつまらないミスで空回りし萎えていく。しかしG大阪がいくつかの決定機をはずし手くれたおかげでスコアは動かず前半は終わった。
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G大阪は49分、アラウージョが強引なドリブルから二川へスルーパス。ゴールラインまで進んで左足でふわりと折り返したボールを大黒が正面でヘッド、効果的な追加点となった。DFがボールウォッチャーになってしまい最もフリーにしてはいけない相手をフリーにしてしまっては・・・。
試合はやがてG大阪のワンサイディッドとなっていく。交代出場していたルーキー前田もピッチ狭しと走り回ってリズムをつくり、強烈なミドルを狙った。さらにアラウージョがドリブルから狙い、遠藤が巧みなカーブシュートで続き、大黒がダイビングヘッドで襲うなど再三GK掛川を脅かしたが決められない。しかし74分、CKから大黒がボックス内を横切りながらヘッドでニアの狭いポスト際を通し３−０とし、勝敗は早々と決まってしまう。
しかしここから神戸が意地を見せる。82分に交代出場のエムボマのダイナミックなシュート、さらにカズからのパスを播戸がすばやいターンからシュートしてCKを得る。そのCKを室井がニアでコースを変えて走りこんだ松尾が強烈に叩き込んだ。G大阪が、そして西野監督が望んだ今季初の無失点試合はまたもならなかった。
チームを変えるためには監督交代だけでは不十分で、補強や選手の入れ替えは避けられないことだ。しかし何より現在のメンバーが力を出し切ることを求めたい。どこかまだ不完全燃焼だと感じられるのだ。
快勝したG大阪だがまたしても完封を逃した。宮本の復帰したDFラインとシジクレイが加わったMFとの連係がまだスムーズさに欠ける。ぽっかりと中央にスペースが空き、そこを敵に利用されることが散見されるのだ。しかしこれは時間をかけた熟成を待ってみたい。それよりも、相手を押し込むことができる試合では目立たないのだが、サイドの攻守の弱さはこのチームの宿命だ。力強くアップダウンを繰り返せるサイドプレーヤー（そう簡単に見つからないが）を補強できなかった「つけ」はやはり大きいようだ。
