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2005Ｊリーグ ディビジョン２ 第３節 ザスパ草津vs.コンサドーレ札幌
2005年３月19日（土） 14：04キックオフ 群馬県立敷島公園県営サッカー・ラグビー場 観衆：3.572人 天候：晴
試合結果／ザスパ草津１−４コンサドーレ札幌（前１−２、後０−２）
試合経過／［草津］宮川（14分）［札幌］池内（25分）砂川（42分）堀井（54、
80分）
取材・文／砂畑 恵
群馬は花の盛りで美しい。花とは白梅。秋間梅林などの観光地があり、あちこちの路肩や家の庭先にも可憐な花がほころんで春到来を感じる。しかしスタジアムにはまだ冬の名残が。名物の「からっ風」である。サポーターのかざす旗は千切れんばかりに煽られた。
風向きが多大な影響を及ぼしそうな試合だが、主導権を握ったのは不利とされる風下に陣を敷いた草津の方。右サイドからの攻撃を軸に積極的に仕掛ける。山口が捌くパスからDFにコンバートされた高須が活きのよいオーバーラップを見せ、ワントップを任された宮川も右エンドより押しの強いドリブルで内に切れ込む。それが功を奏して獲得した14分のCK。山崎の競り落としたボールを宮川が足でなで切り、Ｊ２初となるゴールで先制した。
風上という折角の優位を生かせないまま、あっさりと点を奪われた札幌は３バックはフラットにするのか、DF１人を余らせて相手ＦＷと対峙するのか対応が曖昧で、連携の危うさを宮川に突かれるシーンも見受けられた。前の選手も相手ボールへのチェイシングが緩く、守備陣の負担を増やしている。いざ攻撃に転じても、ノリノリとなった歓声に後押しされた草津のきびきびした守備に引けを取り、フィニッシュには至らない。
なかなか噛み合わない選手達に札幌サポーターのやきもきする声は次第に高まり始めていた。その札幌がようやく25分にＣＫのチャンスを掴んだ。砂川のキックは風に押され、ＧＫ岩丸の予測よりもゴール方向にカーブを描く。ややのけ反る岩丸に弾かれたボールは混戦から外れていた池内の下へ。しっかりミートされたシュートがネットを突き刺した。
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そんな中、42分に和波のクロスが砂川に渡る。「トラップしたらマイナス方向だったので、その瞬間に思い切って打とうと」（札幌・砂川）。十分な体勢ではないが気持ちのこもったオーバーヘッドは風を味方に、岩丸の頭上を越えてやんわりゴールへ吸い込まれた。
やっているサッカーは悪くないが札幌に逆転を許した草津。攻撃の鍵だった高須が39分に負傷交代するアクシデントも起きる。それでも後半は風上に立ってなおも攻めた。ただ守備に関して、そこはかとした不安が漂い出していた。札幌の攻撃機会はさほど多くなかったが、それでもFWの微妙な動き出しの変化に草津のDFが遅れを取る場面も。それがついに致命傷となる。54分、中山のドリブルへ釣られる草津の守備。すっと目をかすめた堀井にトラップから流れるようなシュートを浴びて草津は３点目を献上してしまう。
草津はなんとか追い付こうと59分には御給を入れて３−５−２と布陣を変更。だがシュートは暇もないが、詰めが甘く枠を逸らすシーンばかり。更に相手GK原の好守も光った。対する札幌は点差を広げ心の余裕が生じたのか、前半のような３バック任せ切りのアリバイ守備が影を潜めた。ボランチは前に後ろにとポジションを移して献身的に動く。
また攻撃陣も意欲的に相手ボールを追い、ルーズボールへの寄せも１歩が早くなった。その例が80分の４点目だ。草津が自陣でやや慌てていてパスが雑になったところを透かさず岡田がカット。最後は堀井の反転から素早く放った美しいゴールへと結実した。
この頃になると草津はチームのバランスを失っていた。ゴール前に何人も張り付き、DFとの間には大きな溝が出来る。点を取りたい焦りからか個人が思いおもいに単発シュートを重ねた。サイド攻撃で札幌を慌てさせた草津はそこにはない。それでも87分、サイドをえぐった寺田がクロス。だがダイレクトで叩いた鳥居塚のシュートはポストに跳ね返された。
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さて草津はゲーム内容は悪くない。点を狙う気持ちも伝わる。でも３試合で10失点と現実は厳しい。「Ｊ２はいかに負けないサッカーをするかだ」と色んな人から意見を聞く。歴代のＪ１昇格チームを見ても守備型よりも攻撃型のチームが苦労していることからもＪ２の特異性が窺える。去年の川崎は例外中の例外だ。昨年の２位・大宮にしても勝ち点は87。44試合を全部、引き分けても中位よりやや下の位置にはつける。「悪いリズムのときに踏ん張れない」（草津・山口）。まず守備に照準を当て安定を図るのが先決だろう。
