ウルグアイ。貪欲に３位を獲得。
COPA AMERICA PERU2004　３位決定戦　コロンビアvs.ウルグアイ

2004年7月25日（日）19:45キックオフ　エスタディオ・ガルシラソ・デ・ラ・ベガ（クスコ）　
試合結果／コロンビア１−２ウルグアイ（前０−１、後１−１）　
得点経過／［ウルグアイ］エストジャノフ（２分）、［コロンビア］エレーラ（70分）、［ウルグアイ］サンチェス（80分）


文／中島泰介

　クスコ。かつてインカ帝国の首都だったこの都市の街並みは、ユネスコの世界文化遺産にも指定されており、ペルーが誇るマチュピチュ遺跡もこのすぐ側である。私もぜひ訪れたい地だ。が、3,310メートルという標高は、サッカーをするにはあまりにも酷な環境である。優勝という目標が絶たれたコロンビアとウルグアイが、何もしなくても頭が痛くなるような条件下でどれほどのパフォーマンスを見せられるだろうか。私の勝手な想像だが、ペルーはどうしてもこの都市をアピールしたく開催都市に入れたかった。しかし前述の環境である。コパ・アメリカの試合を開催するとしたら、最も重要性の低い３位決定戦しかなかったのではないだろうか。

　心配したモチベーションとは裏腹に、試合は序盤から動きを見せた。２分にいきなりウルグアイのゴールが決まる。左サイドをビセンテ・サンチェスとモラーレスのワンツーで突破しダイレクトでサンチェスはクロスボールを上げる。これをファーサイドからノーマークで走りこんできたエストジャノフが、左足インサイドのシュートでエナオの守るゴールを破り、あっさり先制したのだ。しかし直後にユニフォームをたくし上げてゴールを喜んだエストジャノフはイエローカードをもらってしまう。つい最近FIFAが決定した、この行為に対する警告の理由を私は知らないのだが、別に問題になる行為とは思えないのだが・・・。政治的メッセージの書いたシャツを見せた選手が過去にいたが、これが問題だったのだろうか？などと考えてしまう。

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　６分に、フェレイラの突破から左サイドでコロンビアが一度シュートチャンスを得たが、その後はウルグアイが続けて決定機を作る。まずは９分、中盤でボールカットしたウルグアイは、左サイドからパローディがクロスを上げ、これをファーサイドでマルティネスがヘディングシュートを打つが、GKエナオが弾きコーナーキックに逃れる。続く10分にはポウソからのサイドチェンジのボールを受け取ったサンチェスが、ペナルティ・エリアの左コーナー付近でシュート。これはわずかにそれてしまった。

　ドリブルを多用するコロンビアは、ウルグアイのプレッシャーやディフェンスの網にかかり、なかなかゴール前まで攻め込めない。方やウルグアイはボールを奪ったらパス。ブラジル戦で見せたような、相手のディフェンスが整わないうちにロングボールを前に送るシーンも多く見られ、追加点の可能性を感じさせた。

　しかし、次第にコロンビアのパスがつながるようになり、ウルグアイ陣地に侵入する機会を得るようになる。31分、ビアファラの右サイドの突破から得たフリーキックに、ファーでエレーラが頭で合わせるが、これはバーを越えてしまった。36分には、縦パスを受け取ったビアファラがペナルティ・エリア中央にボールを送るが、飛び込んだ選手は、ボールが強すぎたこともありコントロールできず、シュートには持ち込めなかった。

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　どちらにゲームが転ぶかわからない展開で前半は終了した。そして後半はまたややウルグアイペースで試合が開始する。51分、それまでも何度か攻撃の起点となった右サイドのエストジャノフが股抜きでマーカーをかわした後、マイナスのクロスを送りシュートにつながるが、ディフェンスに阻まれた。

　しかしコロンビアも反撃。55分にはビアファラの右からのクロスをファーサイドでフェレイラがノートラップでシュートするが、ボールはサイドネットの外側へ飛ぶ。１分後には、後半からムリージョに代わりピッチに入っているモランテスから２度クロスが上がるが得点には結びつかなかった。59分にはモランテスがフリーキックを直接狙うが、惜しくもボールはバーに阻まれた。

　その後一進一退の攻防が続いたが、70分に試合が振り出しに戻る。ビアファラがビセーラにペナルティ・エリア内で倒され、エレーラがGKバルバットの逆をつくPKを決め、コロンビアが同点に追いついた。

　75分、もう１点必要になったウルグアイは、パローディに代えてフォルランを、ホルへ・マルティネスに代え、バレーラをピッチに送り、コロンビアはパティーニョを下げ、カストリジョンを入れた。フォルラン投入はすぐ吉と出た。80分、ペナルティ・エリア前でフォルランがアギラルとの空中戦に勝ち、そのこぼれ球を、２人のディフェンスに囲まれるなか、ワントラップして左足でループシュートを放つ。エナオが必死にジャンプするも、ボールはサイドネットにゆっくりと吸い込まれていった。

　84分にビアファラがクロスを送るもウルグアイディフェンスがクリア、85分のモランテスからペレーアへのスルーパスはわずかに長くGKバルバットがキャッチ、89分のペレーアの左足のシュートははずれ、コロンビアの最後の攻勢も実らず、ウルグアイの３位、コロンビアの４位が決定した。

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　ウルグアイもコロンビアも、最後まで高地という条件を感じさせない動きで、激しい戦いとは言えなかったものの、好ゲームを披露した。優勝は達成できなかった両チームではあるが、この好成績にはずみをつけて、Ｗ杯予選に臨んでもらいたい。