松田浩監督（アビスパ福岡）記者会見
2004Ｊリーグ　ディビジョン２　第17節　アビスパ福岡vs.サガン鳥栖


試合を振り返って

　振り返るのが難しい試合でした。ただ、終わってみたら勝ち点３があるというのは本当に大収穫で、それにまさるものはないので、そこの部分は良しとしなければいけないかなと思います。メンバーが大幅に変わった中で、古賀誠史の得点でいい形で始まったんですけれど、やはり、ちょっと不慣れな点だとか、そういうところで、ちょっと綻びができはじめて、そこを突かれたということになりました。一度、精神的にダウンしてしまったところが課題というか。それが前半のうちだったので後半に盛り返すことができましたけれど、まあ、後半に関しては、みんなが気持ちを持ってよく闘ってくれたなと思います。


増川選手のパワープレーということで監督の采配が当たったわけですけれど、そのあたりのことについて聞かせてください。

　後半の頭からは山形恭平を投入したいなというのがあったんですけれど、後半少したって状況が変わらなければ、増川をトップに持っていって、そこにパワーが欲しいなということで、ハーフタイムから準備はしていました。やはり、きれいなサッカーばかりでは上手くいかないこともあるし、今日は、前線でこぼれ球が全然拾えていないということがあったので、増川というのは前半から考えていました。後ろのほうに、立石がサブでいましたし、宮本が川島とサテライトでは常に組んでやっているというのがあったので、その選択肢が持てたので非常に良かったと思います。


前半は気持ちで押されていたようなゲームだったんですが、そういうゲームを、後半は逆に気持ちで盛り返したということで非常に大きかったんじゃないかと思いますが。

　まさしく、そういう試合だったと思います。上手く最初に点は取れましたけれど、気持ちで押されて逆転されたというゲーム。後半の指示は、これといった指示というよりは、気持ちで負けるなということだけだったんでね。やはり、勝負とか、流れ自体も、気持ちというのがどれだけ大事かっていうのが本当に良く身に沁みて分かった試合だったんじゃないかと思います。そういう意味では、今日の一番の収穫、戦う上で、まずはそこを揃えてグラウンドに入らないと、いろんな戦術だとか技術とかは絵に描いた餅にしかならないということが本当によく分かったんじゃないかなと思います。


今日は前半から田中選手をサイドのポジションで使いましたけれど、その理由について教えてください。

　今日は山形か田中かということで、ずっと迷ってたんですね。山形もずっと京都戦から出ずっぱりだったんですけれど、少し中に入りすぎたポジション、もしくは外に開きすぎたポジションとか、チームのスタイルとか形というのを分かってきただけに、そういうことに非常に神経を配るというか、ボールに集中するというよりも、そういうことに集中してて、少しプレーに迷いがあるような感じが見えていたんですね。田中は紅白戦の中で起用したときに、非常にいい流れを作っていたので、それと、彼はどっちも出来る選手と最初から見ていたので、それで起用しました。

　ただし今日はですね、相手の布陣が３−４−３というか、ちょっと変則的な中で、非常に守備的なポジションを取りすぎたんですよね、田中が。それが常に守勢に回るというか、攻撃に田中が出られないというか、相手の３バックの外側に飛び出していけないということがありました。田中にその辺を責めるのは酷ですし、４−４−２の相手だったら、もっと上手くいったんじゃないかなと思うんですけれど。まあ、いずれにしても、コンディション的にはいい選手なんで、結局はコンディションの方で劣る福嶋のところに、福嶋に代えて、そこに上げた感じなんですけれど、ちょっと今日は、彼にとっては、そのポジションに関してはかわいそうだったかなという気がしました。


今までの試合を振り返ってみて、気持ちで押し込んで勝った試合というのは少なかったと思います。そういう意味では、今後につながるような手応えを感じていらっしゃいますか。

　闘争心とか、そっち側の部分での気持ち、そういうメンタルな部分。それと、増川の点なんか、山形からいいクロスが上がったんですけれど、あの辺のシンプルさというか、プレーの。そういう部分の判断とか、あまり難しく考えすぎないであるとか、悩んだりしながらやるんじゃないとかという部分が、そういうメンタルな部分も含めて。結局、分かりやすいプレーだったと思うんですよ、あそこでクロスというのは。そうすると、みんなが同じようなことを考えているんで、ひとつにガーッと集中できて力になるという部分も含めて、非常にうちの選手にとっては、メンタル面では成果の大きかった試合だったと思います。

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