鹿島アントラーズ　サポーター通信　〜首位決戦を終え 　レポート／青山ケイ

　勝ち点差１、首位交代を意気込んで万博へ乗り込んだものの、アップする選手達を見ているうちに心臓がドキドキし始めた。事情がありメインＢＯＸ-Ｓ観戦だったが、周囲にはかなり赤い仲間がいたの点は心強かった。周囲の青い人びとも試合そのものを楽しもうという雰囲気の方達も多く、微笑ましい印象すらもった。ゴール裏にいる時とは違う緊張感、これは相手サポータに煽られる（先日のレッズ戦はまさにそう）のではなく試合そのもののの行方・展開を期待と不安で見守っていたからに違いなかった。間違いなくすさまじい試合になるだろうと。

　結果を出した神戸戦と同じスタメンでキックオフ。開始早々から２列目--特に深井の飛び出し等でかきまわしボランチ小笠原もフリーで優位にボールを回す。そして先制点の美しかったこと。増田-本山-アレックス-そして小笠原。ああした先制点が取れれば自信になるだろう。かなり涼しく風があったのも鹿島には幸いしたと思う。

　でもさすがガンバは攻めどころをわかっていて、ボランチとＤＦの間や青木のあたりを突いてくる。アラウージョの２ゴールはまさにそうしたものだった。うーん。小笠原のＦＫゴールでリードしてのハーフタイム。これで終るわけはないと思ったが、後半はさらにドラマが起きた。曽ケ端のミスからの失点、そして青木のマークのゆるいところをアラウージョに入り込まれロスタイム直前に逆点ゴールを許す。

　万事休すと正直あきらめかけた瞬間、大岩のロングボールから｢FW｣岩政が競り勝ち、隆行がフリーのアレックスへパス、そしてアレックスが慌てず狙いを定めてのシュートでゴール。何とか引分けに持ち込んだ。１stも同じように点の取り合いから引分けに持ち込んだ試合だった。ガンバとは、やはり打ち合いでいくしかないと思う。曽ケ端のミスがなければ勝てたかもとは思うが、いえ、それでもガンバはゴールしただろう。この試合では追いついたことに価値があり、何よりも嬉しく思っている。


　鹿島のＭＶＰはやはりアレックスだ。２ゴールの小笠原も良かったが、後半の運動量減少がマイナス。対するアレックスは最後まで献身的に前線からのチェックを怠らない（スペースにボールを回され前線の選手もかなり走らされた部分もあったはずなのに）。そしてあの冷静さ。アラウージョとはブラジル時代に何度も対戦していて、最後の最後に意地を見せた。今年鹿島に彼がいなかったら･･･と思うと、紹介してくれたビスマルク他に感謝したい気分だ。

　自分で打たずにアレックスにパスした隆行の判断はホント助かった（あれを打ちサイドに外すいつもの姿が目に浮かんだだけに･･･）。途中出場も、いきなりオフサイドやらであまり役にたっていなかったが、最後の最後に役にたってくれた（仮にも代表選手に失礼な言い方かもしれないが、まずはチームに貢献してくれないと鹿島ではずっと控えのままだと思う）。

　深井は神戸戦ほどではないにせよ、果敢な飛び出し・ドリブルでラインを上げ相手にファウルを与えてくれた。隆行でなくてもァウルはとれるのだ(爆)。ここ２試合の鹿島のサッカーに深井は大きなアクセントになっている。次のジェフ戦は親友巻との対決。本人が一番楽しみにしているだろう。


　途中交代の選手では、やはりリカルジーニョがドリブル・スルーパス等、再三チャンスを作りよかったと思う（カットされカウンターを喰らうのは想定内）。フェルナンドが次節から２試合出場停止となり、リカルジーニョの出番と思いきや、彼もカードをもらい次節出られないとは残念･･･。また野沢もファンタジスタ系持ち味を発揮すると同時に、ＦＷとしての動き出しが非常にうまくなった。特にアレックスとはあうんの呼吸で、オフサイドになった惜しいシュートも、そうした連携からだった。パス出しからもらう方へ、さらにうまさを見につけてくれるだろう。終盤のキーマンは野沢かもしれない。

　それに引き換え新井場は、またもや古巣を意識しすぎてか空回りのように見えた。サイドを突破した後足踏みとなってしまった。相手もわかっているからか、変に考えすぎてしまったのか。ここのところシンプルなクロス・シュートも良かっただけに次に期待したい。

　青木・増田・また本山あたりは大一番で力を発揮できたとは言いがたい。でも、調子の悪い中でも自分のできることをし続けてほしい。特に増田は、トラップ・キープがうまくいかず自分の現時点のレベルが改めてよくわかっただろう。90分持とうとせずに走り回ることでアクセントになることも今の鹿島では大事なこと。そこから武器を見出していってほしい。


　千葉戦ではフェルナンド不在の中でボランチは誰だろう。小笠原と青木でいき右ＳＢを内田というパターンだろうか（アリがいたら･･･)。10月の鹿島ナイトゲームでは冷えるはず。ここからが鹿島の季節だ。ガンバとのマッチレースを最後まで喰らいついていこう。