ガンバ大阪　サポーター通信　〜絶対に負けられない試合　大阪ダービー 　レポート／丹羽雅代

　ダービーらしい、独特の緊張感に包まれた、長居スタジアムに集まった観客は４万２千人。サッカー不毛の地と言われる大阪では異例の動員となった。これはセレッソの営業努力のおかげとしか言いようがない。そして、選手もその期待に応えるべく、見ていて飽きのこない派手な試合展開となった。

　守備が好調と言われていたセレッソDF陣は、マークの受け渡しに手間取り、そのためボランチがDFラインに吸収されてしまう。１７分、開いてしまった中盤にシジクレイが入り込み大黒へパス。角度のないところからのシュートだったが、ゴール。ガンバが先制する。

　２１分に、フリーだった西澤の豪快なシュートで同点にされるが、３５分、中盤に下がって、ボールをもらったフェルナンジーニョが前線のアラウージョにつないで、追加点を得ることが出来た。セレッソのDF陣は、大黒、アラウージョ、フェルナンジーニョの攻撃の変化、スピードに付いていけないまま、前半が終了。

後半は、セレッソのサイド攻撃に苦しめられる展開となる。しかし、シュートミス、松代の好セーブに阻まれ、セレッソは、なかなか点を決められない。７５分、下がっていた大黒から、１万点ゴールで時の人となった前田へ。前田が落ち着いて、セレッソDFのテンポをずらして、アラウージョへ。アラウージョも落ち着いて、ゴールへ押し込む。直後の７６分、宮本のミスから、西澤にゴールを決められるが、時すでに遅し。ロスタイムに大黒がダメ押しの追加点を決め、試合終了。


　セレッソの攻撃は、悪くはなかった。しかし、それを上回ったガンバの攻撃。決定機を逃さない嗅覚が、両者の明暗を分けたようだ。試合終了後、サポーターに挨拶に来たガンバの選手は、誰もがいつもよりも晴れ晴れしい顔をしていた、普段は、あまり喜びを大きくアピールしない宮本も、ガッツポーズをし、勝利を喜んでいた。

　反対に、セレッソの選手の中には、泣きそうになった選手もいたようだ。サポーターだけではなく、選手もかなりの意気込みで臨んでいた大阪ダービー。ガンバのダービー４連勝となったが、内容では甲乙つけがたい好ゲームだった。７月、万博で行われる大阪ダービーも好ゲームになるように、両チームには、成績を落とさず、頑張ってもらいたい。

　ガンバは、この試合を勝利したことによって、中断期間前に今季初のアウェーで勝利。そして、今季初連勝となった。成績も３位と好調なまま中断期間を迎えることが出来た。中断期間には、代表組が抜けた穴をどうやって、埋めていくのか？若手が出場し、スタメンを脅かす存在になってくれればと思っている。