湘南ベルマーレ　サポーター通信　〜ベストメンバーで挑む初めての試合 　レポート／飯竹友彦

　次節、甲府戦は月曜日の開催ということで観戦できる湘南サポーターは少ないのかもしれない。もちろんアウェイの甲府サポーターはもっと少ないだろう。上田監督が就任してホームで２試合を迎える訳だが、どうしてこんなタイミングで月曜日開催なのかと少し残念に思う。

　さて、甲府戦の展望だが残念ながら決してサポーターは、上田ベルマーレに関して明るい未来だけを見ているわけにはいかないようだ。何故ならば就任以来ベストメンバーを組んでの公式戦が一度もない事。それにより戦術を含めシステムの変更がどのような方向にチームが向いているのかが確認できない。もちろん上田監督も同じ思いだろうが、その場を披露できるかもしれない試合も月曜日開催ということで、サポーターの目で直に判断される絶対的な数が少ない。

　それでも、期待する部分は多い。ベストなメンバーが組めるであろう甲府戦のスタメンは今後の試合だけでなく、来期を見据えた布陣になると考えても良い。では、上田監督はどのようなメンバーを揃えてくるのだろうか？

　システムは、なでしこジャパンと同じく４?４?２を就任以来採用している。ＤＦは右から村山、パラシオス、白井、城定。中盤の底にはボランチが２人で、キムと浮気になるだろう。右サイドには運動量の多い鈴木（良）を、左にはクロスが正確な坂本。ＦＷにはアマラオと高田（保）。ここ３試合のスタメンから想像するとこうなる。

　ＤＦラインは９０％世界だろう。問題は中盤。ボランチには守備力のある浮気を外せない。そうなるともう１枚のボランチを誰にするかでチームを攻撃的にしたいのか、守備的にしたいのかが判る。吉野ならば守備のバランスを、キムならば攻撃手にいくという現れである。吉野を右サイドに出すオプションもあるが、鈴木（良）と左サイドの坂本とのバランスを崩さないように気を付ける必要がある。中盤のサイドには、交代出場でスピードを生かせる加藤や石田を使う事も考えられるがあくまでも相手のスタミナが落ちた後半からと考えるのが妥当。

　FWに関しては上田監督はアマラオと高田（保）のコンビを辛抱強く起用している。しかし、アマラオにはＦＣ東京時代のような存在感はなく、ＦＷのポジションに戻った高田（保）も得点感覚が戻らないまま数試合が経過した。サイドとの連携不足か、ＦＷの連携不足なのかは判らないが得点の雰囲気がない。逆に川崎Ｆ戦で交代して出てきた柿本のほうが前線への飛び込みや思い切りの良さに得点の臭いがする。

　ベルマーレのストロングポイントは中盤の構成力と守備力にある。今期は守備が崩壊する場面も多く見られたが、元々はきちんと守備をして中盤にボールを預けサイドから相手を崩すのがスタイルだ。山田監督、望月監督代行とその練習に多くの時間を割いてきて、そしてようやく形となってきた。新監督に期待するもの。それは得点を奪う戦術であり、結果である。

　甲府はＪ１昇格の可能性を持つチームでモチベーションも申し分ない。下位に沈む現在のベルマーレが、来期の試金石として相手とするには勿体ないくらいの相手である。月曜日。密かに開催される試合で、上田栄治はどれだけ攻撃的な姿勢を見せてくれるのだろうか。来期、本当にベルマーレに期待しても良いんですか？上田監督！