楚輪監督退団記者会見 　文／中倉一志

■中村安昭社長

　こんにちは。今日、天皇杯２回戦を勝って非常に喜んでおります。これも３年間、監督の指導の下、次の３回戦に進むことが出来ました。どうも、ありがとうございました。

　実は今日、これから監督のほうから発表してもらいますけれど、サガン鳥栖の監督として、平成９年の２月の４日にスタートしまして、サガン鳥栖、何もないところに男気を出してもらって、ないない尽くしの中で、我々も鼓舞されたし、選手も鼓舞して頂いてスタートを切った思い出をまだ新鮮に覚えております。

　そういった中で、今回、監督が退団されるということになりまして、非常に残念に思っております。大分何回も、何日も賭けて慰留に努めたんですけども、これも監督の将来を見越した場合、監督のほうから、やむを得ないということをおっしゃいましたので、我々も監督の将来を、これ以上監督を独身でこちらのほうに置いておくということについて非常に考えまして、監督の意向を尊重いたしまして承諾した次第です。

　非常に残念で、私自身、当初から最後まで、スタートの第１日目から監督と接しておりまして、非常に残念ですけども、これを機会に、監督もサガン鳥栖を見守って頂きたい。また私たちも監督からの教訓を生かして、残された選手、チーム、クラブを、ゆくゆくはJ1に上がるということで頑張って行きたい。そしとてユースも含めまして、これからもご指導願いたいと思っております。本当に監督、有り難うございました。


■楚輪監督

　先ほど社長のほうから退団するっていうことで発表がありましたが、言葉はいろいろありますが、これ以上いってもどうしようもないんで、退団しますっていうことです。こういう記者会見っていうのは、退団するよりも、入る時にするんでしょうけど・・・。３年間、まだまだ沢山残していると思うんですよ。でも退団するって決めましたんで・・・。皆さんとはここで、記者会見で、ああでもない、こうでもないっていう話をしましたが、それもまた次の機会に・・・また何処ぞで会いましょう。以上です。

　すいません遅くまで。（会見は）ちょっとですけどね、短かったですけども残ってもらいまして申し訳なかったです。お疲れさんでした。どうも。

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[中村安昭社長の談話]

■交渉はどの位持たれたんですか

　私の記憶では６回。


■10月の末くらいからですか

　10月の末くらいですね、そんな感じですね。いや11月かな。記録は残してますけどね、いまここに持っていないんで、多分11月に入ったくらいですね。


■いろいろお話されたと思うんですが、折り合いが付かなかった点はどんなところですか

　それはね、折り合いが付かないっていうのは、監督の言い分は、我々のスタッフとしては聞いたつもりなんです。聞いたつもりというのも、監督の意向を半分、数字で言えば半分以上は承諾しました。しかも監督の言い分としては、自分自身のこともあるし、チームのこともある訳です。これについてはチームとしてはまだ流動的なんで、監督自身が今回も前向きの・・・・。まあ欲を言ったら、監督のほうからもさっき、言い分はいろいろあるとおっしゃったけれども、６回を重ねた上で、思慮に思慮を重ねた上の結論と思います。

　慰留には努めました。さっき言ったように、最初から最後まで私がタッチしておりましてね、タッチしたと言うのは、監督はＪリーグの紹介で頂いた監督なんです。だから本当は３年、４年、５年、６年と引き止めたいけれども、いろいろな意味が監督のほうにあったと思うんですよ。

　だから私はちょっと言い忘れたんですけれど、次の監督を決めても、監督人事っていうのは、１年、２年なんていうのはざらにあるわけですよ。じゃあまたという時に楚輪監督に来てもらおうと、そういう意味も含めてね、そういう親しい気持ちは持っているんですよ。監督は簡単に言われたけれど、話はいろいろと憶測になりますからね、私もこの位でコメントを止めておきたいと思います。非常に残念です。


■監督から正式にお話があったのはいつ頃ですか

　３日。12月３日。


■３日に退団の意向を示したと言うことですか。今日、正式に退団するのですか

　そうです。意向は前からあったんですけれど、最終的に決断されたのは３日ということです。それまで慰留に努めましたけれど・・・。


■最初に辞めたいと言ってこられたのはいつ頃のことですか

　いろいろと条件がありますからね。（11月)24日位ですね。


■アントラーズ戦はどなたが指揮を執られるんですか

　当然、坪田コーチ。代行で。それでコーチは神永コーチ、ユースの。


■条件面で折り合わなかったというのは金銭面とか、環境面とか・・・

　金銭面はクリアしました。


■ネックになったのは練習環境とかでしょうか

　いろいろありますが、それについては監督にお聞きになって下さい。監督の気持ちを私が憶測で言うことは出来ません。


■選手たちはもう知っていますか

　いま発表していると思います。監督のほうから、いま言っていると思います。


■アントラーズ戦まで指揮を執るということは考えてらっしゃらないんですか

　執って貰いたいけれども、実は12日に発表ということだったんだけれど、今から12日まで悶々としておくのかとか、監督の気持ちは次の就職のこともありますしね。いま非常に監督人事は何処も揺れてますんでね。早く発表したほうが監督のためにもなるし、私たちも12日まで動かないよりも、早目に次の監督との交渉をやらないと、全く白紙ですから。


■いまは全く白紙なんですか

　全く白紙です。そうです。そういう意味で、私たちのほうからは積極的に退団を申し入れたわけではありません。それだったら、ちゃんと後があるけれども、全然ございません。


■今日発表するというのは社長がお決めになったんですか

　いや、今日発表というのは監督の意向。まあ、そう（退団と）言われると、当然そうなんですよね。


■契約は今年までだったんですか

　契約は１年、１年更新ですから。


■いつまでの契約でしたか

　契約は１月末まで。２月１日から１月末まで。そういう区切りになっています、どこも。


■それを早めての退団と言うことですか

　いや、大体ですね、選手契約の最終決定も12月末でしょ。そうしないと、次の自分の行き先が決まりませんから。監督も早くしないと決まっちゃう。そういう意味でも早くしたほうがいいかなと。



※このレポートは「online magazine yahoo 2002CLUB｣に掲載されたものです。