三浦俊也監督（大宮アルディージャ）記者会見
第85回天皇杯全日本サッカー選手権　準決勝　浦和レッズvs.大宮アルディージャ


今日のの試合の感想を

　浦和戦が今年５回目だったので、お互いに相手のことがわかっていました。そして、先制点を奪われた時にはわれわれが厳しい状態に陥って、逆に先制点を奪った時には、ウチの良い面がでる。それはわかっていて、セットプレーは気をつけていたのですがやられてしまいました。さらに桜井がけがをして厳しい状態になってしまいました。若林と森田だと高さ、ポストプレーで勝負をしなくてはいけない。速攻などでは得点のチャンスが生まれないというのは、チーム全体で分かっていたと思います。

　実際、同点にして、延長まで持ち込むことができたという点は評価できると思いますが、今日のゲームでは差があったのかなと。ディフェンスではそんなに差がないかも知れませんが、ボールを持った時のクオリティに差があったかなというのが今日の課題だと思います。そこが１年間、J1の戦いで感じたところであります。

　ただし、J1に残留して、ナビスコで決勝トーナメント進出、天皇杯ベスト４というのは悪い成績ではなかったと思います。


延長で２点差をつけられた時の心境は？

　１点差というのは何が起こるか分からない数字ですし、実際に後半最後のようなことがある。それに比べて２点差は厳しい。現実的に勝ちを拾うには、延長前半か延長後半の早い時間帯で同点に追いつかなければいけないなと思いました。延長後半１分の若林のシュートが外れて、あれが入っていればまだ期待が持てたのかもしれませんが、あれで苦しくなりました。


選手たちのメンタル面への働きかけは？

　前半は特にありませんでした。失点後も長い時間が残っていたので、選手たちもうまく切り替えられたのでしょう。先制点を取られて厳しいというのは、相手は守りきれば良い。こちらは、攻撃に出なければいけない。ウチは先制点を取れば強い。確か先制点を取ったゲームで、今シーズンは負けていません。


攻撃についての指示は？

　速さという部分はなくなったなというのがありましたし、うちの大きなストライカーと坪井選手のマッチアップを見ても、スピードでは勝てないと思っていた。そこで、ある程度つなげるところはつないでサイドに預けて、そこからのクロスにひとりが競って、そのこぼれを狙いたいと伝えました。


その狙いどおりに同点に追いついたのですが。

　残り時間が少なくなったんですが、クロスのファーストボールに浦和の選手が強くて、ほとんど弾かれて、なかなか競り合いに勝てなかった。そのあたりは若林たちも感じていると思う。たまたま、都築選手と競ったボールが、冨田にこぼれたんですが、ああいうチャンスをもう少し作りたかったなと思います。クロス自体はうまくいっても、前の競るところでうまく行っていなかったという印象です。


もうひとつのところまでは来ていたのですが。

　今日のゲームだけを考えれば、本当に少ない勝機をどこに求めるかという試合だと思います。特に攻撃の部分で厳しかったかなと思います。ただ、経験としてまだまだ上はいるし、浦和の個々の、能力の高さも分かった。選手はやっぱりがっくりしている様子でしたけれども、私としては、それほど悪いシーズンではなかったと思います。

　大宮の選手たちは、どこかで解雇になったり、試合に出られなくなったりした選手。何かを成し遂げたようという気持ちを持っているので、今後もそういう気持ちを持ちつづけるチームにしたいなと思います。


５回目の対戦でしたが、これまでの戦いを生かせたのは大宮のほうだったのでは？

　浦和はシーズンの前半と選手が変わったんで、どちらかというとエメルソン選手と田中達也選手がひとりふたり抜いてという攻撃から、マリッチ選手にクロスボールを当てるサッカーに変わったという印象がありました。まずはクロスからの攻撃、そしてそのこぼれ球を長谷部選手のミドルシュートというふうに考えて、それを選手に伝えていました。前半はコーナーキックでやられましたけれども、全体的にうまく守れたと思います。

　しかし、２点目、３点目、４点目は、全てボールを奪われてからのカウンターでやられてしまった。攻撃のクオリティという部分は、あそこでボールをとられるかどうかで流れが変わってくるので、それも含めて足りなかったかなと思います。

●	ギド・ブッフバルト監督（浦和レッズ）記者会見
●	レポートに戻る