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2005Ｊリーグ ヤマザキナビスコカップ準々決勝 第１戦 セレッソ大阪vs.ガンバ大阪
2005年8月6日（土）19:00キックオフ 長居スタジアム 観衆：12,863人 天候：曇
試合結果／セレッソ大阪０−３ガンバ大阪（前０−１、後０−２）
得点経過／［Ｇ大阪］シジクレイ（18分)、橋本英郎（54分）、
家長昭博（86分）
取材・文／貞永晃二
２週間前のＨＯＴ６最終戦、Ｃ大阪は今季二度目の大阪ダービーで負傷者、出場停止者でベストには程遠いメンバーを強いられる中、早々と先制しながらもＧ大阪の破壊的な攻撃力の前に１−４と完敗を喫した。今回は前田、古橋らが復帰し本来のレギュラーメンバーがほぼ出揃うのは好材料ではあるが、同時にもはや言い訳を許されない状況に追い込まれていることも確かだ。初タイトルへの渇望、ダービー５連敗の屈辱、ホーム長居での開催など様々なモチベーションが選手を奮い立たせるはずだ。先勝がベスト4への最低条件といえる。
対するＧ大阪。代表組３人の不在は当初から想定できたが、ここへ来て二川、實好、青木と負傷者が続出し台所は苦しい。そんな中、主将・シジクレイの復帰がDFラインの不安を解消しそうだが、持ち前の中盤での高いボールポゼッションからの前線へのパス供給は難しく、前線の３人にかなりの負担をかけそうだ。しかし個々の決定力ではＣ大阪を十分上回るだけに堅守からの速攻に賭けたいところだ。
キックオフから至る所で激しい競り合いが続く。意地と意地が火花を散らし、さすがはダービーマッチだ。４月から５月にかけて無敗を続けていた頃のメンバーにほぼ戻ったＣ大阪だが、２シャドーに復帰した古橋が西澤、森島とうまく連係できない。ダービー初見参となったファビーニョがミドルを放つがワクをはずす。
一方、Ｇ大阪は遠藤、二川というパサーが不在だったが、Ｃ大阪の守備陣がアラウージョ、フェルナンジーニョに入るクサビを安易に許し、前を簡単に向かせてしまうため、ドリブル突破を何度も仕掛ける。そして一旦始まったドリブルは即スピードに乗りファウル覚悟でしか止め切れない。
そして18分、Ｇ大阪が先制する。フェルナンジーニョの右CKを山口がヘッドで折り返し、鋭く反応したシジクレイがやはりヘッドでGK吉田の頭上を抜いた。またもＣ大阪の悪癖、リスタートからの失点だ。シジクレイは約１カ月ぶりの復帰戦で先制点ゲットと喜色満面の表情で天に向かい指を突き上げた。
さらに勢いに乗って攻めるＧ大阪。フェルナンジーニョのドリブルから吉原に絶好機が来るがGK吉田にぶつけてしまう。CKから再びシジクレイがヘッドで狙うがバーを越える。攻めざるを得ないＣ大阪は巧みなインターセプトからブルーノがそのまま攻撃に参加しシュートを打つもののGK松代が阻む。
前半終了間際、必死に攻め込むＣ大阪だったが追いつけないまま前半が終わった。
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運も味方したＣ大阪は、なんとか同点にしたいと焦りを募らせ、攻めに人数をかけてくる。そのスキにつけこみDFの背後を狙おうとするＧ大阪は54分、目論見どおりにカウンターを決める。アラウージョから右サイドに飛び出した松下へ。そしてそのプルバックを橋本が鮮やかにダイレクトシュート。地味なボランチ二人で作った見事な追加点、橋本はダービー２試合連続ゴールとなった。
２点ビハインドであとがないＣ大阪はスタジアム上空に雷鳴とどろく中、森島に代わった黒部が突破を仕掛け、あわやPKかというシーンもあったがどうしても１点が奪えない。後半だけで９回もあったCKもうまく活かせず、この日両チームで最多の６本のシュートを打ったファビーニョの惜しいループも決まらず、攻撃は空回りする。
そしてリトリートしてＣ大阪の攻めを受け止めるＧ大阪は、吉原の負傷で途中出場し初めてトップ下のポジションに入った家長が見せた。86分に右サイドからカットインし巧みなドリブルで二人をかわしコンパクトに左足を一閃、Ｃ大阪の息の根を止める３点目とした。降りだした雨の中、Ｃ大阪は山崎をDFにいれて、ブルーノを前線に張りつかせるが全く効果なくタイムアップとなった。
Ｇ大阪が今季公式戦全25試合で67ゴールという得点力をまざまざと見せつけ、力の差を誇示した試合だった。この攻撃を阻止できるチームが果たしてＪにあるのだろうか。初タイトルどころかリーグとの「２冠」さえ夢ではないといえるほどの強さだ。
一方のＣ大阪には苦い苦い敗戦だ。今季ダービー３連敗、通算６連敗は屈辱的だ。しかし、正々堂々真正面からぶつかった３試合で合計３得点、11失点。もはや力の差を認めざるを得ない。代表組が戻るＧ大阪から３点以上を奪うことは確かに大変なことだが、何かをやるしかないのだ。小林監督に策はあるのだろうか。リスクをおかして２トップ２シャドーをぶつけるというのはどうだろう。もうなりふりかまわずやってくれ、そう願うＣ大阪サポーターは少なくないはずだ。
