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2005Ｊリーグ ディビジョン１ 第12節 セレッソ大阪vs.ガンバ大阪
2005年5月14日（木）15:04キックオフ 長居スタジアム 観衆：42,013人 天候：晴
試合結果／セレッソ大阪２−４ガンバ大阪（前１−０、後２−１）
得点経過／［Ｇ大阪］大黒（17分）、［Ｃ大阪］西澤（21分）、［Ｇ大阪］アラウージョ（35分、75分）、［Ｃ大阪］西澤（76分）、［Ｇ大阪］大黒（89分）
取材・文／貞永晃二
Ｃ大阪の懸命の営業努力が、最高の好天も呼び込み長居スタジアムには４万２千を超える大観衆が詰めかけた。リーグ戦では、2000年5月27日、１stステージ優勝を賭けた対川崎戦、ピンクのサポーターが涙雨に濡れたあの日以来の大観衆だ。
開幕３連敗後の８試合は無敗（４勝４分）と安定した戦いを続けているＣ大阪は、総失点12と「らしくない」守備力が評価されつつあるが、看板の得点力が湿ったまま。一方リーグ最高の得点力（22点）を誇りながら失点も20といささか不安定な守備だったＧ大阪も、CB宮本、ボランチ・シジクレイという分担が明確となってからはやや落ち着いた感がある。
Ｃ大阪はアウェーに強い（３勝）がホームでは１勝のみ、一方Ｇ大阪はホームで強く（４勝）アウェー未勝利という「外弁慶」vs「内弁慶」対決も興味を引くものだ。勝ち点で並びわずか得失点差でC大阪が７位、G大阪が６位という僅差の両チームだけにリーグ中断前の重要な「負けられない」ゲームである。
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Ｃ大阪ペースで進んだ試合、均衡が破れたのは17分。フリーでアラウージョの横パスを受けたシジクレイに対しウェーブでDFの間に動きながらパスを要求した大黒は、シュートのタイミングを微妙に遅らせ正確なシュートでＣ大阪ゴールを破った。ゴール裏一角に押し込められた形の青と黒のサポーターが沸く。しかしわずか4分後、今度はスタンド全体がどよめいた。ゼ・カルロスのクロスを胸で受けた西澤が数歩ドリブルし右足を一閃、豪快にゴール天井に突き刺した。２点ともDFがやや危機感に欠けチャレンジが遅かったものの両エースの意地がほとばしるようなシーンだった。
Ｇ大阪はアラウージョ、Ｃ大阪は古橋とチャンスを決められない。そして何気ないチャンスを活かしたアラウージョの左足が再度アウェーチームにリードをもたらす。35分、フェルナンジ−ニョのチップでのタテパスを受けて突進し、クロスと見たGK吉田のニアサイドを破った。Ｃ大阪にとって１試合で２失点は第2節横浜FM戦以来となった。
追うＣ大阪は１トップ２シャドーが流麗に機能するが古橋が決められない。
このままスコアは動かず、Ｇ大阪のリードでハーフタイムを迎えた。
西澤の落としから古橋が狙い、大黒のヘッドが右に外れる。さらに西澤にクロスが合うが、山口が巧みに身体を当てワクへは飛ばさせない。
ここで西野監督はフェルナンジーニョを「１万ゴール男」前田雅へ。小林監督は布部を下げ黒部を投入し、西澤との２トップで同点、逆転への道をさぐる。その黒部にすぐチャンスが訪れるが、左足、ダイビングヘッドとワクへは飛ばない。さらにＣ大阪は森島から米山への交代で前節の同点ゴール再現を夢見る。その米山のスルーパスからゼ・カルロスが左サイドを破り、黒部へラストパス。しかしイージーに見えたシュートを右に外し頭を抱える黒部。このシュートミスが流れを変えた。
ゴール前で待ち受ける大黒も怖いが、ポジションを下げパサーに姿を変える大黒もまた魅力的だ。75分、その大黒が自陣で受け、全力で駆け上がる前田雅へ左アウトサイドキックでのスルーパス。アラウージョが並走し前田雅からのパスを確実に決めた。
２点差に落胆するスタジアム。しかし１分後その静けさは宮本のコントロールミスを拾った西澤のダイレクトボレーがネットを揺らすと、一転、大歓声に包まれた。さあ、あと１点、15分はある。
しかし、同点ゴールは遠い。古橋のFK、米山のシュートとどうしても決められない。そして家長を入れて攻め込むことで時間を使おうとするＧ大阪の攻撃的な精神が89分のダメ押し点を生む。背番号16は、二川のラストパスを決め得点ランクトップで中断を迎える自身10点目とし、試合を決着させた。
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Ｃ大阪は久々の敗戦を喫した。黒部が決めきれず得点という結果にはつながらなかったが、今季初めてといっていいほど２トップがうまく機能したのは収穫といえる。この最も悔しい敗戦を薬に攻守の充実を図るためには最高のタイミングでの中断かもしれない。苔口をユース代表で取られる程度で、メンバー的にも熟成を図るには最適なカップ戦となるはずだ。
Ｇ大阪の13勝目でリーグ戦21回目の大阪ダービーは終わった。4万大観衆が選
手たちの「負けたくない」思いに火をつけ激しく攻め合い、シュート29本で６ゴールのグッドゲームを演出した。特筆すべきは新旧日本代表のFW二人、大黒と西澤がチームを引っ張り素晴らしいゴールシーンを見せてくれた。再びあいまみえるのは7月23日、さらに高順位同士で対決できるだろうか。父親に「面白かったね」と話しながら家路を急ぐ少年の言葉がこの試合を見事に表していた。
