関塚隆（川崎フロンターレ）監督記者会見
第84回天皇杯全日本サッカー選手権大会　４回戦　川崎フロンターレvs.ヴィッセル神戸


試合を振り返って

　こういうトーナメントの大会というのは、勝ち上がるということが大事なんで、内容もあれだったですけれども、サポーターの力も借りて、勝ち上がれたということが良かったなと思っています。

　内容については、前半は我々のプランどおりと言いますか、流れでできたんじゃないかなというふうに思っています。後半に入って２−０というのは非常に難しい試合になる。そういうことで、ハーフタイムに『みんなで前向きに行こう』ということだったんですけれども…。

　相手も４バックのシステムに変えてきて、多少そういうところでのリズムと言いますか、各ポジションでの配置・間隔とかが違う時に、スローインから失点をあまりにも早くしてしまい、なおかつ次にショートコーナーから。ふたつともそういうアウトオブプレーからの失点ということで『やはり、まだまだＪ１で戦っていく上では、そういうところの隙を見せないサッカーをしていかなければいけない』と、肌でみんなが感じたんじゃないかと思います。

　まあ、その後は両方とも攻めあいというか、そういう形になりましたが、決定力という点でウチが相手を上回って勝ち抜けたというゲームだったと思います。


故障者も出ている中での試合でしたが。

　今日は個々のプレーヤーも自分の100パーセントのパフォーマンスを見せてくれましたし、チーム全体として結束力があったんじゃないかと思います。本当に、今言われたように、センターバック、ウイングバックに非常に故障者が多くて、なかなか同じメンバーで組めない中、今日戦ってくれたプレーヤーが非常によくやってくれたというふうに思います。


後半、厳しい試合になることを想定して、具体的にどういうことを指示しましたか？

　ひとつは、まあ相手がシステムを４バックに変えてくるとは、僕自身予想していなかったんですけれども、相手の控えのメンバーを考えたときに、藤本君が来るだろう。そこで彼がもう少し捌いてくるんじゃないかなと。そして三浦カズですよね。もう少しそういう経験を出してくるんじゃないかなと思ったので、そういう選手のプレーの特徴と、それから彼らが出てきたときの対応。もうひとつは前半の後半から相手が狙ってきた土屋君が３バックの前で非常に攻撃参加してきたんで、そのへんのマークの受け渡しを説明しました。


故障者のメドは？

　今、７人いましてね。どのくらい戻ってくるか。あとリーグ戦３試合でですか？　３試合では無理かなというプレーヤーばかりですね。天皇杯はまたこれからゆっくり。今日、これからJ1と戦えるこの機会をひとつでも勝って、今年のうちにJ1をみんなで肌で感じながら、来期へと向かいたちと思っているんで。一つ一つ戦っていくのが自分たちにとって一番大事なことだと思います。


後半、何かしなければいけないと思いませんでしたか？

　思いました。やはり、中盤のところの枚数が少ないんで、前線の枚数を減らして、そこに１枚加えるか。ただ、３バックの場合は最後のところで１枚余っているわけですから、もう１枚前を削るということは、どこでその余りを無くすかっていう部分が大事になってくるんで。１対１で非常に集中した戦いになっていましたし、またウチが取ったボールをしっかり前でもう少しつないでいければ、逆に前の威力というものがあるんで、そこで余りにも早い時間帯から『もう後の時間を守りきるんだよ』というような意識は選手にさせたくなかったんで。


いくつか決定機があって、決め損ねて…。あの後相手にも決定機が３本くらいあって、取られておかしくないプレーがありました。ああいう場合、後から罰金を徴収したりしたくなりますよね。

　そのあたりはきちんとビデオで検証しましてね。我那覇がフリーでいって、左からオーバーラップでマルクスが、右にジュニーニョがという場面もありましたし、そういうところでもう１点を追加できる落ち着き・状況判断というものを身に着けないと、勝ちきることが大変になると思います。


公式戦２連敗中でした。

　まあ、そうですね。（相手が）大宮さんと福岡さん。やはり、周りから『気持ちで負けている』と言われたこともあったんで、今日の試合はそこだけは気持ちを出してね、前面に出して戦おうとこの１週間準備してきましたんで、その点では非常に選手に感謝したいと思います。


試合後、ジーコ監督とはどんな話を？

　いろいろと（笑）。まあ、『おめでとう』という言葉と、今、皆さん方が言われたように『フリーの場面でフォワードの頭が上がっていない』とか。そういう点での指摘は非常に厳しいです。逆に僕が『そのへんを指導していないんじゃないか？』と、そういうふうに言われたような気がします

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