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2004Ｊリーグ ディビジョン１ ２ndステージ 第５節 浦和レッズvs.アルビレックス新潟
2004年９月18日（土） 19：04キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆：49.435人 天候：曇
試合結果／浦和レッズ４−１アルビレックス新潟（前３−１、後１−１）
試合経過／［浦和］ネネ（17分）Ｏ．Ｇ（25分、39分）エメルソン（46分）、［新潟］エジミウソン（67分・PK）
取材・文／砂畑 恵
アウェイ席が満杯だ。埼玉スタジアムの浦和戦で赤い以外の色が占有した割合は、恐らく最多である。バス60台近くに、その他の交通機関でも訪れたであろう新潟サポーターは5.000人を越えた。当然、ホームゴール裏はいつもにも増して浦和サポーターで盛況。夏に戻ったかのような陽気が輪を掛けて、試合前から双方のサポーターは熱気を帯びた。
そんなスタジアムを最初に沸かせたのは新潟だった。２分、ファビーニョにボールが入る。浦和の最終ラインはアルパイ、闘莉王、ネネと、この日が２試合目。プレスに行ったネネがファビーニョにかわされ、高めの守備をしていた浦和DFの裏にスペースが産まれる。ファビーニョは直ぐに右のエジミウソンに展開。エジミウソンは慌てて戻った闘莉王とアルパイを引き付けると、ゴール前で横パスを流した。だがボールは上野のわずか後ろを通過。前線へ走り込んだファビーニョも、カバーに入った鈴木啓の前にシュートに結び付けられず、先制点を挙げる絶好のチャンスを逃した。
危うく失点をしそうになった浦和だが、直ぐに試合のペースを握った。攻撃陣がエンジン全開で相手を攻め込む。エメルソンや田中が積極的にシュートを放つ。相手にハイプレスを仕掛けボールを支配した。その勢いに圧倒された新潟はボールキープもままならない。それでも新潟には10分を過ぎた辺りから何度かFKの機会も与えられた。但し、浦和DFも開始早々の失態に気を引き締め直し、綻びをさらけ出すことはなくなっていた。
ゲームを主導する浦和に対し、守って逆襲の機会を根気よく待つ新潟という構図がくっきり浮き彫りとなったところで、浦和が17分に先制点を挙げる。三都主のCKをニアの田中が後ろにそらす。一旦、地面に落ちたボールが跳ね上がり、遠いサイドにいたネネが押し込んだ。浦和とすればあまりお目にかかることのないセットプレーによる得点だった。
先に点を奪われた新潟は、その後、不運に見舞われる。25分には浦和のFKからエメルソンと競った丸山がオウンゴール。39分には鈴木啓のアーリークロスを秋葉が痛恨のクリアミスで、またも自陣ネットを揺らしてしまった。浦和は労せず２点を追加し、新潟は前半だけで３失点と大きなビハインドを負ってハーフタイムを迎えることとなってしまった。
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４点差となっても攻めを緩めないのが今の浦和の特長だ。積極的に得点を狙ってシュートを試みるのは田中。49分には味方３枚がゴール前に詰めるのを囮りにし、自ら持ち込んでシュート。その１分後にもネネからの縦パスを左サイドで受けると、切り返しでDFをかわしてフィニッシュへと持ち込んだ。いずれもポスト左に惜しくも切れたが、結果を残さないとスタメンは安泰でないという危機感に奮う姿が垣間見られた。エメルソンも得点王をと自ら期する思いもあって手を抜かない。60分にはポスト直撃のシュートを放った。
対する新潟も少ないチャンスながらゴールを目指す。56分にはエジミウソンがペナルティーエリアに侵入。GKのタイミングを外しシュートを流し込む。しかしここは間一髪、三都主がクリアー。62分には早いリスタートのFKから、またもエジミウソンが１発を狙うが長谷部がいい反応を見せてコースを切り、シュートはGK山岸にキャッチされた。しかし、２ndステージに入って、得点力が向上している新潟。ゴールまであと１歩に迫っていた。そして67分、本間がゴール前にクロスを上げ、落下点へといち早く反応したエジミウソンは山田に倒されてPK。それをエジミウソンがきっちり沈めた。
浦和は無失点試合の期待が阻まれたその２分後に大きな局面を迎えた。ドリブルで相手陣内を突破した山瀬が、松尾の足に引っかかりながらもシュート体勢に入ろうとして、踏ん張った拍子に足を痛める。悶絶してピッチにひれ伏す山瀬。山瀬の元へと走った浦和のメディカルスタッフはベンチに×印を出した。このことで試合の空気は微妙に変わる。そして追加点を目論む新潟が攻勢に出た。
しかし浦和は動揺することはなかった。交代で入った選手も含め、相手の攻撃にも柔軟に対応。新潟が早目に前線へハイボール入れれば、闘莉王が壁となって跳ね返し、山田や長谷部が守備でキラリと光るカバーをする。そのまま浦和は新潟の反撃を１点に留め、開幕５試合21得点のＪ１記録更新のおまけ付きで首位の座を守った。
新潟とすれば今日の試合は大いに不満もあろう。特にセットプレーに関しては失点シーン以外でもマークの甘さが目に付いた。しかし破壊力を誇る浦和の攻撃陣に対し、部分、部分でいいプレーも見せた。殊に前半はボランチとDFが縦にFWを挟み込んで、エメルソンや田中の動きを封じるシーンも。それが功を奏し、浦和のシュートは遠めのものが多かった。あとはその動きをどこまで持続できるかの問題だ。
さて浦和はこの試合で大きな代償を払った。好調・山瀬の長期離脱は避けられない事態だ。しかもアルパイが今日の試合でイエロー累積３枚で出場停止となる。そして次節は苦手なアウェイの東京戦に、２節後はＧ大阪との首位攻防戦となる。選手層の厚さでこの難局を乗り越えることが出来るか？この２連戦の結果は２ndステージ優勝の行方を左右しそうだ。
