若いパラグアイ、ブラジルを退け首位通過！
COPA AMERICA PERU2004　グループＣ第３節　ブラジルvs.パラグアイ

2004年7月14日（水）19:45キックオフ　エスタディオ・ウニベルシダ・デ・サン・アグスティン（アレキーパ）　
試合結果／ブラジル１−２パラグアイ（前１−１、後０−１）
得点経過／［パラグアイ］ゴンサーレス・フェレイラ（29分）、［ブラジル］ルイス・ファビアーノ（35分）、［パラグアイ］バレイロ（72分）


文／中島泰介

　この試合に先立って、チリ対コスタリカが行なわれ、コスタリカが残り数秒のところで決勝ゴールを決め、３位で準々決勝の椅子を獲得した。そして、ここアレキーパでは既に２位以上が確定し、次のラウンドへの進出が決まっているブラジルとパラグアイが対戦する。堅守のパラグアイがブラジルの攻撃を迎え撃ち、カウンターで勝利を狙う展開になるだろう。

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　序盤からブラジルが攻撃を仕掛ける。７分、右サイドのエドゥからの縦パスを、ディフェンスラインの裏で受け取ったルイス・ファビアーノが左アウトサイドキックでゴール左隅を狙うが、大きく枠を外れる。９分、同じく右サイドから今度はフェリッピからの縦パスに反応した右サイドバックのマイコンが角度のない所からゴールを狙う。

　続けて２度もディフェンスラインを突破され、危うさを見せたパラグアイだが、以降落ち着きを取り戻し、逆にブラジルの守備のミスからパラグアイが２本のシュートに結びつける。時間の経過とともに、パラグアイは厳しいチェックで次第にブラジルからボールを奪取する機会が増えていく。16分、ルイゾンのファウルで好位置でのフリーキックを得ると、エドガル・バレットが強烈なシュートを放つ。

　対するブラジルは21分にエドゥが惜しいミドルシュートを放ち、24分にはアドリアーノが突破を図るが、パラグアイは３人、４人とプレッシャーをかけに行きシュートを許さない。特に若い選手達を引っ張るベテラン・センターバック、ガマーラはこのチームでは重要な存在だ。

　ピンチの後にはチャンスあり。そしてパラグアイはそのチャンスを生かした。28分に右コーナーキックからバレイロが詰めて至近距離からシュート。これはGKジュリオ・セザールの素晴らしい反応でブロックされたが、連続してコーナーキックを得たパラグアイは２度目を先制点に結びつけた。左コーナーキックはぴったりとゴンサーレス・フェレイラの頭に合い、ジュリオ・セザールはゴールに吸い込まれるボールを見届けるしかできなかった。

　ブラジルも黙ってはいない。30、31、32分と立て続けにシュートに持ち込み、パラグアイゴールに迫る。そして35分、豪快な同点弾が生まれる。右サイドのマイコンの突破をパラグアイは２人がかりで止めるが、こぼれ球を拾ったクレベルソンは時間をかけずにゴール前にボールを送る。これを二アでゴールを背にして受け取ったルイス・ファビアーノが、反転して右足を振り抜いた。パラグアイのディフェンダーも必死にスライディングで阻止しようとするが、シュートはゴールの天井へ一直線に飛んでいった。

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　ともにチャンスを作り見ごたえのあった前半戦。しかし、後半に入ると、お互いに決定機を作り出せない展開となる。63分、パラグアイは、トップのゴンサーレス・フェレイラに代わり、MFのフィゲレードを入れ、やや守備的布陣に変更。65分にブラジルはエドゥ、フェリッピを下げ、ドゥドゥ、ジエゴをピッチへ送る。

　なかなかシュートチャンスが見られなかったが70分、へナートが左足でミドルシュートを放つ。これはGKバレットがはじき、ブラジルはコーナーキックを得るが、得点には結びつけられなかった。そして追加点を奪ったのはパラグアイ。72分、バレットのゴールキックはブラジル最終ラインまで届き、エスコバルがルイゾンに競り勝ちボールを頭で落とす。そこに勢いよく走りこんできたバレイロが、ジュリオ・セザールの股間を抜くシュートでパラグアイの２点目を記録した。

　73分には、グスタボ・ネリと交錯したときに、故意と思われる蹴りを入れたエミリオ・マルティーネスの退場により数的不利になったものの、パラグアイの守備が頑張りを見せる。ブラジルに何度もフリーキックを与えるが、全てゴールから遠い位置だ。82分には交代出場のオリベイラが直接ゴールを狙うがゴールネットを揺らすことは出来ない。83分のジエゴのキックには誰も合わせることが出来ず、87分のへナートのセットプレーも同じ結果に終わった。ロスタイムまでブラジルに何度かシュートチャンスが訪れたが、パラグアイ守備陣はゴールを許さず、パラグアイは1979年以来のブラジル戦の勝利によりグループＣトップの座についた。

　若いオリンピック代表で大会に参加しているパラグアイには、次のラウンドに向けて、そしてオリンピックに向けても大きな自信となっただろう。アテネでは日本にも大きな壁となって立ちはだかるに違いない。準々決勝はウルグアイと対戦する。そしてブラジルはまた批判にさらされそうだ。準々決勝の相手、アルゼンチンを破った好調メキシコには苦戦は必死だ・・・。