本番を想定し、中二日でもやれる！ロシアと堂々ドロー！
国際親善試合　U-23日本代表vs.ロシア代表

2004年2月11日（水・祝）19:20キックオフ　静岡スタジアム・エコパ　観衆：16,335人　天候：晴
試合結果／U-23日本代表１−１（前１−１、後０−０）ロシア代表
得点経過／［日本］高松（33分）、［ロシア］ブルィキン（39分）


取材・文／貞永晃二

　同年代のイランとのホームゲームの引き分けから中２日、ロシアのフル代表を迎え、またしても厳しい試合を経験するオリンピック代表。スターティングを比較すると６名を入れ替えての試合となる。予選では２日に１試合という日程でもあり、この入れ替えは本番を十分意識してのものだといえるだろう。
　一方、ロシア代表は昨年11月のユーロ2004出場権をかけたプレーオフ第２戦対ウェールズ戦のメンバーはGKマラフェエフ、DFオノプコ、MFラジモフ、FWブルィキンの４名。フル代表とはいえ、代表定着を狙いアピールしたい国内の選手たちといったところだろうか。

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　静かに始まった試合は、まずロシアがチャンスを作る。８分、右からのクロスをオノプコが高い打点のヘッドで狙う。惜しくもクロスバーを叩いたボールのリバウンドは何とか日本がクリアする。さらに16分のモルのミドルは黒河がかろうじてはじき出す。22分、早いリスタートからのクロス、ブルィキンのヘッドはミートが弱く日本は助かる。

　日本の反攻は26分、松井がミドルシュートを放つ。更に30分、左サイドを松井と根本のコンビで崩しクロス、鈴木が絡んだが坂田がオフサイドをとられて逃す。そして、俄然、流れがよくなった日本の先制点は33分に生まれた。自陣でのパスカットから闘莉王が大きなストライドでドリブルをはじめる。ロシアDFのゆるい対応にラン・ウイズ・ザ・ボールを決断、ロシア陣のど真中を突進し、みるみるボックスまで到達すると、対応したDFと交錯し倒れながらも身体で飛び出したGKをブロック。必死にオノプコが蹴りだしたが小さい。寄った坂田が今度はオノプコをブロックし、駆け寄った高松のシュートコースを確保した。冷静に右足で引っ掛けるようなインステップは左スミに納まった。

　しかし日本がリードを守れたのはわずか６分間。遠い日本での試合、しかもベストメンバーには程遠いとはいっても、ユーロ2004に出場する強国だけに、むざむざ日本に、しかもオリンピック代表に思いどおりにやられるわけには行かない。右サイドの崩しには失敗したが、その後もさらにボールをキープ、右サイドを上がったモギレフスキーのハイクロスをブルィキンが競ってこぼれをケルジャコフがボックスへ流す。那須がラインを上げるところをぎりぎりでブルィキンが受け、GK黒河の届かないところへ冷静に流し込んだ。

　さらにたたみかけるロシア。ラジモフが那須のパスをカットし、そのまま右のケルジャコフへ。思い切りのいいシュートは角度がなく日本は助かった。ミスは怖い。アディショナルタイムにもケルジャコフが左サイドを走り、徳永をかわしロングシュート、これも右に外れたが、シュートレンジの広さは脅威だ。

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　後半、上がりを押さえられがちな左サイドの根本を森�ｱ浩に交代。ロシアもFWシチョフを投入だ。そのシチョフが55分、スローインを受け巧みにボックスへ侵入しマイナスの折り返し。ロシアは２人が飛び込むが、中へ絞った田中隼がかろうじてクリアする。さらなる日本の大ピンチは59分。右からモギレフスキーがクロス。カリャカがヘッドで折り返し、シチョフが絡む。田中隼が蹴り出そうとするがゴール前にボールがこぼれ、そこへラジモフが飛び込み、黒河と接触、さらにこぼれたボールをケルジャコフが狙うが、足を痛めうずくまる黒河に当たる運の悪さ。逆転ゴールを逃した。
　日本も森�ｱ和に代わった青木が本来のボランチでアピール、ロングシュートを放つが大きく外れる。ロシアも交代で入ったエシポフが美しいカーブ軌道のFKを放つがわずかにフレームを外す。

　そして、スタジアムに大歓声がどよめいたのは72分。FWの２人を平山・田中達のセットに入れ替える山本監督。２人が流れに乗る前にロシアのチャンス。右コーナー付近のスローインをシチョフがポストとなり、ケルジャコフが左で狙う。ややミートが悪く黒河がセーブ。さらにMFで青木のパスをカットし、右のラジモフへ。低く鋭いクロスは日本ゴール前を切り裂きロシアは３人が飛び込み、一番外のカリャカのシュートは黒河がファインセーブ、ボールはバーをかすめアウトした。

　日本は森�ｱ浩のミドル、ロシアはFKからシチョフのボレーと惜しいシーンが続く。そして注目の男・平山が短い時間ながらも役割を果たす。83分、左サイド森�ｱ浩のクロスを正確なワンタッチコントロールから左足で抑えたシュートだったがGKマラフェエフが防ぐ。
　ロシアはオノプコの攻撃参加もこの日当たっている黒河がキャッチ。そして、最後に攻撃参加した闘莉王が青木のパスを受け、強烈なドライブショット。しかし、またもマラフェエフが弾き出す。倒れこみ悔しがる闘莉王。そしてまもなくタイムアップの笛が響いた。

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　守備面では長身でスピードのある選手を揃えたロシアを相手に１点に押さえたことは大きな自信になるはずだ。ただ、しばしば不用意なミスパスを拾われピンチを招いていたのは要注意だ。特に簡単に味方を使えばよい中盤で、しかも無理をする必要のない場面でのミスは避けなければならない。カウンターを得意とする中東勢との厳しい戦いを今から十分想定してほしいものだ。一方、攻撃面では、平山の台頭で危機感を抱いたはずの高松が、得点という結果を見せてくれた。しかし、まだまだポストとしての機能は物足りない。田中達との連係も確かめておきたいところだ。

　残すは最後のテスト、韓国戦だ。最終エントリーも決まった。レギュラー獲りを目指し激しくファイトだ日本！