小野監督（広島）記者会見
2003Ｊリーグ　ディビジョン２　第16節　サンフレッチェ広島vs.アビスパ福岡


試合を振り返って

　皆さんご承知の通り、ここ数試合、得点が中々入ってなかったんで、今週のトレーニングから、少し前の意識、ゴールへの意識、多少雑になっても大胆なプレーということを心がけてやってきました。まさにそういうスタートを切ってくれたということと、いくつか苦しい時間帯があったんですけど、それを自分たちの力で立て直してくれたところ、そういったところは選手たちがよくやってくれたと思います。


入りは本当にすばらしいプレーの連続で、楽しめた前半だったと思うんですが、２点入ってから少し崩れたかなというか、後ろのほうの集中力が少し崩れたような感じがするんですが、その辺はいかがですか。

　どうしても、こちらの左サイドとか、いくつかのポイントのところで向こうが打ち合いを仕掛けてきて、そこを全てものにしておけば、こちらの圧倒的なペースになるんですが、そこを向こうが上手くアグレッシブに持ってくると、向こうの流れになってしまいます。その辺のちょっとした切り替えの速さとか、あるいはちょっとしたミスとかが重なった時間が苦しくなった時間帯だったと思っています。


森�ｱ浩司君が足を痛めたと思うんですが、その状況はいかがですか。

　ここから悪化していくような怪我の状況ではないと思います。詳しくはドクターの報告になりますが、しっかり休ませることによって、また万全の体制で次の試合にがんばってくれると思っています。


高木選手が今日で３試合目の出場になりますが、彼のプレーについてはいかがですか。

　彼の持ち味というのは、スピードと運動量と、それと攻守にわたってアグレッシブにプレーしてくれるところです。前節も非常に苦しい時間帯の中で、その特徴を出してくれました。今日も、この暑さの中で必ず疲れが出てくる時間帯に彼の持ち味が生きると思って投入しました。

　攻めに出るところ、それからがんばって守るところ、それに関してはよくやってくれたと思いますけれど、彼本来のポテンシャルというのは、もっと高いところにあると思うんで、李漢宰選手が何回か試合を経験しながら彼本来のパフォーマンスを発揮してくれたように、少し我慢しながら使っていけば、もっといろんなことができる選手に成長してくれると思っています。


マルセロ選手がPK以外で初得点を挙げたわけですが、彼の試合全体の評価を教えてください。

　彼に関しては、運不運というのは自分で口にすべきことではないんですが、今までのパフォーマンスは、点は入っていなかったけれど、決して悪いとは思っていませんでした。流れの中で自分がチャンスに顔を出す、あるいは、動きによって周りにチャンスをクリエートしていく、そういったことはコンスタントにずっとやってくれていました。また、特に今週のトレーニングの中でも、そういったものを出してくれていました。

　今日が特によかったとか、今日初めて爆発したとか、そういうふうには全然考えていませんし、本来の彼の動きをやってくれましたし、それに対して結果がちゃんと付いてきたということです。悩んでた部分は恐らくあったと思うんで、少し吹っ切れて、さらにいいプレーを期待しています。


先ほど出ました李漢宰選手の成長振りは、今日はどうでしたか。

　今日は、前半は非常にアグレッシブに前へ行こう、それからサイドに広く、テンポよくボールをどんどん回していこうと言ったんですけども、非常にいいスタートを切れた大きな原動力の１人が漢宰選手だったと思います。今まで何回かチャンスがありながら、決して悪いプレーとは言いませんが、彼本来の持ち味までは中々いかなかった中で、１試合、１試合、いろいろと考えながら悩んで、トレーニングに打ち込んで、その結果、今日は攻守にわたってすばらしいプレーを発揮してくれたと思います。


後半のPKのシーンなんですけれど、PKを取られた瞬間と、それを止めたときの、正直な監督のお気持ちを聞かせてください。

　あの時間帯は向こうにとってもきつかったし、こっちにとってもきつかった時間帯で、その時間帯をどういうふうに持っていくかで、このゲームが大きく展開するなと思っていました。向こうも苦しい中でイケイケになっていましたので、かなり薄氷のバランスの中で向こうが来てて、なんとか追加点を奪いたかったところだと思うんですね。その後PKになってしまって、この流れの中で得点をとられるとまずいなと思っていました。ただPKになってしまった以上、失点はある程度覚悟して、その後、どういうふうにいこうかということは考えていました。

　非常に重要な時間帯の中で下田がすばらしいプレーを発揮してくれて、このゲームの大きな分かれ目になったプレーであることは間違いないと思いますし、本当に下田はよくやってくれたと思います。

●	松田監督（福岡）記者会見