ジェフユナイテッド千葉　サポーター通信　〜4348人の失望 　レポート／ルイージ

ヤマザキナビスコカップＣ組第５節
ジェフ千葉　１−１　大分トリニータ
2005.06.04 15:00　市原臨海競技場
得点：前半４４分　阿部吉朗、後半２３分　林　丈統

　今春よりジェフ千葉情報紙「JEF PRESS]が発刊されている。このフリーペーパーは千葉市や市原市の各駅ターミナルや区役所など公共施設に置かれていて、チームの認知度の向上に一役買っている。欲を言えば、内容がチープでもう一工夫欲しいところだが、これまでの営業の無策状態からみると一歩前進だろう。

そのJEF EXPRESSだが、最新号（2005.5.25号）の表紙を飾るのは山岸智（背番号16)だ。千葉葉市出身のミッドフィールダーでジェフユース上がり。地元生え抜きの山岸は、2003年世界ユースUAE大会に選抜される逸材で活躍が期待されたが、昨シーズンは怪我に悩まされ続けた。その間に、１年後輩の水野の急成長によりポジションを明け渡すという苦い経験を味わった。その山岸に久々に先発のチャンスが巡ってきた。

　大分トリニータをホーム臨海競技場に迎えてのナビスコ杯予選リーグ５節。ここで勝点３をゲットすると決勝トーナメントに大きく近づく重要な試合である。代表選抜でストヤノフ・水野・水本のレギュラー３人を欠いた千葉はどのようなメンバーで臨むのか注目されたが、オシムが選んだこの日の布陣は、GK櫛野、DFは斉藤・結城のストッパー、ストヤノフの抜けたリベロの位置に阿部。守備的MFに佐藤・羽生、WBに坂本と山岸、攻撃的MFにポペスク、そして前節柏戦と同じくFWは巻と林のツートップの布陣。

　この試合の見所はやはりレギュラーではない選手がどれぐらいアピールできるかにつきるだろう。しかしその期待は見事に裏切られた。この日、右サイドに入った山岸は、パスを呼び込む動きを見せるでもなく、ボール奪取に果敢にチャレンジする訳でもなく、ドリブルで突破するでもなく、中途半端な安全プレーに終始していたのが残念だ。レギュラー陣と運動量で圧倒的に劣るの現状では、先発に指名される可能性は限りなく低い。全力でプレーする姿を見たかったに違いないゴール裏の「さとる」コールに応えるためにも、次の機会を無駄にしないでほしい。

　ゲーム自体は中盤のプレスが甘い割にミスの多い凡戦であった。自身の観戦ノートを見直すと「これまで見た中で最低の試合」と走り書きしていた。ゲームの流れは前半ロスタイム、大分のカウンターから最後は阿部吉朗が決めて大分が先制するものの、68分に途中出場のハースのクロスを巻がゴール前で落とし、最後は林が決めて千葉が同点に追いつく展開。その後ジェフが主導権を握るが、詰めが甘くそのまま終了した。

　大分DF深谷友基と巻とのせめぎ合いなど見所も無くはなかったが、それほどレベルの高いものでもない。この日市原臨海につめかけた観衆は4348人。悲しいほど少ない観客の何人が次もスタジアムに足を運ぶだろうか。スーパーなプレーを見せろとは言わない。「魂を揺さぶるゲーム」を見せてくれれば、焦らなくても観客はスタジアムに帰ってくるものだ。私はそう信じているし、選手はそのようなプレーを見せてくれると信じている。