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調整試合であれば良い敗戦だったと思います
2005Ｊリーグ　ヤマザキナビスコカップ　Ａグループ第３節　浦和レッズvs.アルビレックス新潟


文／石毛大介

　去年の対浦和戦の失点は「７」。浦和の総得点の１割を献上してしまいました。今年の序盤、リーグでは今一つでしたが、徐々に順位を上げてきています。アルビにとっては何だかんだいっても浦和の攻撃力は脅威です。去年ほどの迫力がないといってもアルビにとっては何ら有効なアドバンテージではないことには変わりありません。去年と同じチームであると認識しておくのが妥当です。そんなことを考えながら北越谷のバスの車中で考えていました。さて・・・

　前半６分にいきなりの失点をくらいます。左から永井のクロスからゴール前の混戦になりピンボール状態から行着いた先がエメルソンの元へ。慌てることなくきっちりとアルビゴールへ流し込みます。「去年と同じ大量失点かな・・・」そんな想いが真っ先によぎりました。アルビがまだ何もしていない時間帯だっただけに、このままズルズルと・・・、何てネ・・・。


　この試合通じて浦和にサイドでボールを持たれている印象が強かったです。いや単に持たれているならまだしも、フリーで持たれています。ちゃんとチェイスはしていますが、それ以上のプレッシャーがないので、ボール奪取シーンや球際の攻めぎ合いがありませんし、浦和に楽にプレーさせてしまっています。しかも悪いことに、いつものアルビのように中盤までもプレッシャーが甘く、かなり自由にプレーさせてしまっています。４−３−３という基本システムのせいだけではないような気がします。いつも見られる「ズルズル・・・」と後退してしまい、こちらから仕掛けるディフェンスではなく、リアクションディフェンスなので、いつの間にか浦和にＶＡを使われてしまっています。しかも浦和はこれに加えカウンターも脅威ですからネ・・・（エメ＆達也＆永井の３トップ！）

　またオフェンスにおいてアルビはいつもそうですが、１人１人はよく動いていると思います。ですがユニットで動かないし連動性がないので、単発で終わるシーンが多々あります。皆さんもアルビの試合を観ているのでよくお分かりだと思います。厚みがなく１度攻めが防がれると、そこで終わってしまうので、２次、３次攻撃がありません。セカンドボールを拾っても、同じような厚みが見られないので「波状攻撃」というわけにはいきません。

　一方で浦和のそれは攻守にわたり切り替えも速く厚みがあります。でも去年と比べると、やや迫力に欠けるかな、と。前半決定的シーンがいくつかありましたが、浦和のフィニッシュやその一歩二歩手前での精度の低さで助けられた部分がありました。でも「外してくれた・・・」という印象は拭えません。こちらのプレーが主体ではないですからネ・・・

　それと去年同様やはり啓太は素晴らしいですネ。攻守にわたりアグレッシブで観ていて気持ちが良いです。それと長谷部も中盤の低い位置からのコンダクターぶりも素晴らしいと思います。この２人が織り成す浦和の中盤は「１＋１＝２」以上のものを感じます。アルビを追っかけている自分が違うチームの選手を褒めるのは良くないのかもしれませんが、やはり良いものは良いですからネ・・・


　後半、ファビを高い位置に上げます。これが功を奏したのか、アルビサッカーが活発に展開するようになります。いや本当に彼には頭が下がります。攻守共によく走る、走る・・・。そんなアグレッシブなプレーですから全体にもそれが広がり、浦和の中盤が間延びしだしたことも手伝って、人も動きボールも動き、僅かではありますが、浦和の中盤を制し始めます。ただ反町監督曰く「最後のシーンのところでパワーを出せていなかった。クロスボールの精度、ラストパスの精度、精度のあるシュート。こういうところが今一つだったと思います」と試合後のコメントの通り、中盤を制することとアルビのプレーの質が比例しません。見方を変えればアルビのボールポゼッションが上がったというよりも、浦和のそれが単に下がった、と見る方が良いのかもしれません。

　しかし後半のアルビサッカーが徐々に上向きになってきたのは事実です。「さぁー　いこうー」といきたいところですが２失点目が。浦和のＦＫをエメルソンが蹴り、はね返ったところを啓太が強烈なシュート。アルビゴールに突き刺さります。徐々にアルビが吹っ切れ初めたところへの失点・・・。残念で仕方ありません・・・

　その後アルビがＰＫを決め１点差に詰め寄りますがタイムアップ。対浦和戦３連敗です。ですが今日の試合、横浜戦以来の出場だった幸次郎、非常に良かったと思います。攻守にわたり、縦横無尽にアグレッシブなプレーを見せてくれたと思います。ただやはり単発的な部分は否めないので、彼と他の選手がユニットとして機能することを期待し今後のリーグでの出場も楽しみにしたいと思います。彼個人は全然問題ないプレーでしたからネ。
それにしても今日の試合ですが完全に「やられた」という失点ではなかっただけに残念です。とくにかく今は静観していたいと思います。


　次の観戦はビッグスワンでの対浦和戦を予定しています。単なる消化試合にならないことを祈るばかりです。では。