TASAKIの3連覇はなるか? (写真：第25回全日本女子選手権より)

いよいよ、全日本女子選手権開幕！ 　26代目の女王はどのチーム?　12月4日から繰り広げられる戦いに注目 　文／西森彰

　新生・なでしこジャパンが発表された。フィジカルとメンタルを重視していた上田栄治前監督。バトンを受けた大橋浩司新監督の選んだ新メンバーは、テクニック重視の傾向が明らかだ。「フィジカルで追いつくのではなく、スキルで凌駕する」という意気込みが感じられる。アジア５位の力を持つ、12月18日（土）に西が丘サッカー場で行なわれる、台湾女子代表との親善試合が注目される。

（なでしこジャパン・台湾代表戦候補）
GK		小野寺志保（日テレ・ベレーザ）、山郷のぞみ（さいたまレイナスFC）
DF		磯崎浩美、川上直子（以上TASAKIペルーレFC）、四方菜穂、須藤安紀子、豊田奈夕葉（以上日テレ・ベレーザ）、山岸靖代（伊賀FCくノ一）、下小鶴綾（スペランツァFC高槻）、矢野喬子（神奈川大学）
MF		高橋彩子、安藤梢（以上さいたまレイナスFC）、酒井與惠（日テレ・ベレーザ）、原歩（伊賀FCくノ一）、柳田美幸（TASAKIペルーレFC）、宮間あや（岡山湯郷Belle）
FW		澤穂希、荒川恵理子、大野忍（以上日テレ・ベレーザ）、大谷未央（TASAKIペルーレFC）、丸山桂里奈（日本体育大学）、北本綾子（さいたまレイナスFC）

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　さて、そんななでしこジャパンの新メンバーを一足先にチェックできるのが、12月４日（土）から開幕する全日本女子サッカー選手権。１回戦と２回戦は４日（土）、５日（日）の連続開催で行なわれ、美作ラグビー・サッカー場（岡山県）、上野市運動公園競技場（三重県）、加古川運動公園陸上競技場（兵庫県）、水戸ツインフィールド（茨城県）がその会場となっている。今週の１回戦、２回戦は無料。準々決勝以降は有料ゲームとなり、決勝戦は元日の国立霞ヶ丘陸上競技場で、天皇杯決勝の前座試合として行なわれる。

「やってみたいですね。いや、本当にやってみたい」（宮間あや・岡山湯郷）

　大観衆を前にして2005年の蹴り初めを飾るファイナスリトの座は、参加各チームの選手たちにとって、強い憧れになっているはずだ。今日（４日）の１回戦が、そのスタートラインだ。

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ゴール前での激しい攻防（写真：第25回全日本女子選手権より）

　美作会場では、さいたまレイナスFCと大原学園JaSRA女子サッカークラブがシードされて日曜日の２回戦から登場。富山レディース、北海道文教大学明清高校、東京女子体育大学、そして地元の岡山湯郷Belleがその挑戦権を賭けて１回戦を戦う。L1優勝のさいたま、L2優勝の岡山湯郷と今、旬を迎える２チーム。岡山湯郷は１回戦に勝つと、L1から降格する大原学園との対戦。L1とL2の勢力図にも興味をそそられる。

　上野市会場は、地元の伊賀FCくノ一と、今シーズン限りで東京電力へ移管されるYKK AP東北女子サッカー部フラッパーズがシード。四国から唯一参戦のブッチギリと、遂にＬ・リーグで勝利を飾ったルネサンス熊本FC、それに鳳凰高校、ジェフユナイテッド市原レディースの４チームが土曜日の１回戦へ出場する。昨年、日本体育大学に苦杯を喫した市原に挑むのが、鳳凰。昨年、２回戦で敗れた伊賀と今年もう一度戦うために、高校生チームがＬ・リーグ所属チームに胸を借りる。

　加古川会場は、前年女王のTASAKIペルーレFCと宝塚バニーズレディースSC、兵庫勢２チームがシードになった。１回戦は、名古屋FCレディースと清水第八スポーツクラブ、神奈川大学とASエルフェン狭山FCと近県対決になった。「Ｌ・リーグとどれだけの差があるのかを見てみたい」と昨年の２回戦を前に語っていた神奈川大の鎌田俊司監督。今年は１回戦から、Ｌ・リーグのチームと対戦になる。

　唯一、東日本開催となる水戸会場には、スペランツァF.C.高槻と日テレ・ベレーザがシードされた。１回戦に出るチームは、アルビレックス新潟レディースを除くと、広島フジタサッカークラブレディース、常盤木学園高校、INACレオネッサの地域代表３チーム。常盤木学園、レオネッサの勝者が翌日戦うのは、日テレ・ベレーザ。代表候補を多数抱えるドリームチームと戦えること自体が良い経験になるはずだ。

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　元日決勝を戦うのはどのチームだろうか。順当に行けば、二冠を勝ち取っているさいたまの三冠を阻止すべく、TASAKIか日テレが立ちふさがるという展開だろうが、「（カップ戦は）バルセロナだって格下に負けることがあるし、そういうもの」（藤本主税・ヴィッセル神戸）。まして、今年は大会半ばに代表合宿と、代表戦を挟んでいる。失うものを持たないチームが、強い意気込みで、L1上位チームにどこまで食い下がれるか。そこにも注目だ。